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なにかと難しくてわからない政治のことば、このコーナーで解説するよ

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今回は
新型コロナ対策の特別措置法

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新型コロナ対策の特別措置法とは

新型コロナウイルス対策の特別措置法は3月13日、参議院本会議で採決が行われ、賛成多数で可決・成立しました。さらなる感染拡大に備え、総理大臣が「緊急事態宣言」を行い、都道府県知事が外出の自粛や学校の休校などの要請や指示を行うことが可能になります。

内容は?

法律が施行されると、新型インフルエンザ対策の特別措置法の対象に、「新型コロナウイルス感染症」が追加されます。

総理大臣が「緊急事態宣言」を行うことが可能になりますが、宣言を出す際には国民の生命や健康に著しく重大な被害を与えるおそれがある場合と、全国的かつ急速なまん延により国民生活と経済に甚大な影響を及ぼすおそれがある場合の、2つの要件をいずれも満たす必要があると定められています。

さらに、感染症の専門家でつくる「諮問委員会」に意見を聞くなどの手続きも必要です。

こうした手続きを経て「緊急事態宣言」が必要だと判断した場合、総理大臣は、緊急的な措置を取る期間や区域を指定し、宣言を出します。

これを受けて対象地域の都道府県知事は住民に対し、生活の維持に必要な場合を除いて、外出の自粛をはじめ、感染の防止に必要な協力を要請できるようになります。

また学校の休校や百貨店や映画館など多くの人が集まる施設の使用制限などの要請や指示を行えるほか、特に必要がある場合は、臨時の医療施設を整備するために、土地や建物を所有者の同意をえずに使用できるようになります。

さらに緊急の場合、運送事業者に対し医薬品や医療機器の配送の要請や指示ができるほか、必要な場合は医薬品などの収用を行えます。

このように「緊急事態宣言」が出された際には、行政機関に強い権限が与えられるため、与野党の協議や国会審議などでは、慎重な判断を求める意見や国会への事前の報告や承認を求める意見が出されていました。

「緊急事態宣言」を出す要件は…

新型コロナウイルス対策の特別措置法には、与野党の協議の結果、衆参両院の内閣委員会で、それぞれ付帯決議が可決されました。

このうち、衆議院内閣委員会では「緊急事態宣言」に基づく措置は国民生活に重大な影響を与える可能性があるとして、宣言を出す要件に該当するかどうかは、多方面からの専門的な知見に基づいて慎重に判断するとともに、あらかじめ感染症の専門家などの意見を聴くとしています。

そのうえで緊急事態宣言にあたっては、緊急でやむをえない場合を除き国会に事前に報告し、その後の状況も適時、報告するとしています。

また、今回の事態による経済への影響を踏まえ、消費と雇用に重点を置いた万全の金融・財政政策を講じることや一定以上の減収があった中小企業や個人事業主などには事業が継続できるよう配慮すること、それに施設利用の制限などを要請する場合には、経済的不利益を受ける者への配慮を十分検討するとしています。

このほか一連の政府の対応について、第三者的な立場から客観的・科学的に検証することなども盛り込まれています。

さらに参議院内閣委員会の付帯決議ではこうした項目のほか、緊急事態宣言を行う場合は会議録や根拠となるデータを保存し、国民に説明することや学校の臨時休校に伴い、仕事を休まざるをえなくなった保護者への支援に万全を期すことなども加えられています。

課題は?

特別措置法をめぐっては、与野党協議や国会審議で課題が指摘されました。まずは国民の権利が制限されることへの懸念の払拭(ふっしょく)です。

「緊急事態宣言」が出された場合、行政機関に強い権限が与えられるため、国会の委員会で可決された付帯決議では、「国民の自由と権利の制限は必要最小限とすること」とされました。

専門家は宣言が出された場合、国民生活や経済への影響もフォローすべきだと指摘していて、制限する範囲と感染拡大防止の実効性のバランスをどのように図るかが問われます。

また政府は今回の事態を行政文書の管理に関するガイドラインに基づき、国家や社会として記録を共有すべき「歴史的緊急事態」に指定し、会議の議事録などの作成が義務づけられることになりました。

政府には、一連の対応を詳細に記録し国民に分かりやすく説明することが求められます。

さらにウイルス感染症をめぐる法律の在り方も今後の課題になります。

今回の法整備は平成24年に成立した新型インフルエンザ対策の特別措置法を改正し、新型コロナウイルスを対象に追加する形で行われましたが、国会審議では、近い将来同じようなウイルスが発生した場合の対応が論点となりました。

今回と同様にそのつど、法改正を図るのか、あらかじめ一定の分類を定めて法律を適用するのか、今後も議論になりそうです。

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