広島市長選挙 何を訴えた?候補者演説を徹底分析!

統一地方選挙は、9つの道府県の知事選挙に続き、3月26日、札幌、相模原、静岡、浜松、大阪、広島の6つの政令指定都市の市長選挙が告示されました。

このうち広島市長選挙に立候補したのは、届け出順に、▼無所属の現職で、自民党県連と公明党県本部が推薦する松井一実氏(70)、▼無所属の新人で元会社員の大山宏氏(74)、▼共産党の新人で党の広島県委員会書記長の高見篤己氏(70)のあわせて3人です。
4期目を目指す現職に新人2人が挑む構図です。

NHKはそれぞれの候補者の演説を、AIを使った「テキストマイニング」という手法で分析し、告示日最初の演説で有権者にどのような内容を訴えたのかを読み解きました。
演説の中で使われた政策や選挙運動に関する言葉の回数を集計し、より多く使われた言葉をより大きく表示しています。

松井氏は4分半余り演説し、最も多かった言葉は「地域」の6回で、「まちづくり」も次いで多く使われました。

演説の中で「『地域』コミュニティーの活性化、人々が暮らす『地域』を温かいものにする取り組みに注力してきた」と述べ、現職としての実績を強調しました。

そして「平和文化を振興し、晴れ晴れしい気持ちが持てる『まちづくり』へと深化させたい」と訴えました。

「世界」という言葉も多く使われました。

核兵器の廃絶を目指す世界の8000を超える自治体でつくる平和首長会議について、「世界」の加盟都市1万を目指すと強調し、「4期目は『世界』に誇れるまちづくりに引き続き挑戦していく」と訴えました。

大山氏は7分半余り演説し、最も多かった言葉は「投票」と「立候補」のいずれも12回で「選挙」も多く使われました。

演説で、現行の選挙制度に言及し「『選挙』には金がかかるものだという常識を打ち破る。金や組織力に頼った候補者が勝利を手にする選挙体制自体がそもそもの問題点ではないか」と訴えました。

そのうえで投票率の低下を懸念して「有権者は『投票』所に足を運ぶ習慣を身につけるべきだ」と述べました。

高見氏はおよそ8分半演説し、最も多かった言葉は「暮らし」の8回で、「福祉」や「市政」も多く使われました。

演説の中で「市長が変われば『暮らし』が変わる。大型開発優先の政治を改めて、『暮らし』、『福祉』、教育を大事にする『市政』へと切り替えていく」と述べ、現職の政策を批判しつつ、暮らしを守る市政を実現すると訴えました。

次いで「核兵器廃絶」が多く使われています。
自らが市長になったら、5月のG7広島サミットの場も活用して、核兵器廃絶を世界に発信していくとしています。

このほか「無料」は、子育てを支援するため、小中学校の給食費、高校卒業までの医療費、放課後児童クラブをそれぞれ無料にするという文脈で使われました。

広島市長選挙の投票は、広島市議会議員選挙、広島県議会議員選挙とともに、統一地方選挙前半の4月9日に行われます。