行政文書で高市大臣「大臣も議員も辞職すべきとは考えていない」

放送法が定める「政治的公平」の解釈をめぐる総務省の行政文書について、高市経済安全保障担当大臣は、みずからが総務大臣だった時に正確性が確認できない文書が保存されていたとして「責任を感じ、大変申し訳ない」と陳謝しました。

放送法が定める「政治的公平」の解釈をめぐって総務省が公表した行政文書には、安倍政権当時、総務大臣だった高市大臣が、安倍総理大臣と電話で協議したなどと記載されていますが、みずからに関する4枚について、高市大臣は「ねつ造だ」と否定しています。

高市大臣は閣議のあとの記者会見で、一連の行政文書について「相手方の確認をとるなど正確性を期する手順が取られていない。関係者からの聞き取りによると、認識が異なるものも判明している」と重ねて指摘しました。

そのうえで「当時、私が大臣だった総務省に正確性が確認されていない文書が保存されていたことは大変、残念に思う。総務省の行政すべてに責任を持つ立場だった点から責任を感じている。大変申し訳ない」と陳謝しました。

高市経済安保相「大臣も議員も辞職せず」

高市経済安全保障担当大臣は、参議院本会議で「私に関係する計4枚については、発言したことのない記述がなされているなど正しい情報でないことは改めてはっきりと申し上げる。大臣も議員も辞職すべきとは考えていない」と述べました。

立民 泉代表「何をもって『ねつ造』か 明確に説明を」

立憲民主党の泉代表は、記者会見で「普通に考えれば、役人がうそをついて文書を書く理由はほぼない。本当にうそなのかを政府側には、はっきりしてもらわなければ困る話で、行政文書が全く信頼できないものになってしまう。高市大臣には、何をもって『ねつ造』と言っているのかを明確に説明してもらわなければならない」と述べました。

総務相 “放送法の「政治的公平」解釈変えず” 認識重ねて示す

放送法が定める「政治的公平」の解釈をめぐり、立憲民主党が安倍政権の圧力で変えられたと追及を続ける中、松本総務大臣は記者会見で、解釈は変えていないという認識を重ねて示しました。

放送法が定める「政治的公平」について、政府は2016年に、放送局の番組全体を見て判断するとしつつ、1つの番組だけでも不偏不党の立場から明らかに逸脱している場合などは、政治的公平を確保しているとは認められないとした統一見解をまとめました。

一方、立憲民主党は、当時の安倍政権の圧力で解釈が変更されたことが、総務省の行政文書によって明らかになったとして追及を続けています。

こうした中、松本総務大臣は記者会見で「統一見解は極端な場合に関する例示の補充的な説明だと理解しており、解釈を変えていない。放送行政を変えていないことを放送関係者には随時説明し、理解をいただけているのではないか」と述べ、解釈は変えていないという認識を重ねて示しました。

そして「今回の行政文書に名前が出てきて、連絡を取れる方々から順次聞き取りを行っている。精査を進め、段階的にであっても確認できたことは速やかに報告したい」と述べました。