えていないし記録も
ないので会ってない」加計氏

加計学園の獣医学部をめぐる問題で、加計孝太郎理事長が愛媛県今治市で記者会見し、愛媛県の内部文書に記載された3年前の安倍総理大臣との面会について「覚えていないし、記録もないので会ってない」と述べて、改めて否定しました。

加計学園の獣医学部をめぐる問題で、加計理事長は愛媛県の内部文書に記載があった2015年2月25日の安倍総理大臣との面会について、ことし6月に開いた会見で「記憶にもないし、記録にもなかった」と否定したうえで、当時の学園の事務局長が県に対して虚偽の発言をしたと釈明しました。

これに対して、愛媛県議会がことし7月、説明責任を求める決議を行ったことなどを受けて、7日、学園側は獣医学部が新設された愛媛県今治市で初めて会見を行いました。

この中で加計理事長は安倍総理大臣との面会について、みずからの出張記録を確認したところ、面会したとされる2月25日に出張の記載はなかったと説明しました。

そのうえで「覚えていないし記録もないので会ってない」と述べるとともに、この面会は当時の渡邉事務局長が獣医学部新設を進めるために「勇み足で虚偽の話をしたものだ」と釈明しました。

また学園の幹部らが柳瀬元総理大臣秘書官と官邸で面会したことについては「一切報告を受けていない」と述べたほか、記者団から愛媛県の内部文書を確認したのかと問われると「聞いているが、文書は見ていない」と答えました。

首相との面会 繰り返し否定

会見で加計理事長は、愛媛県の内部文書に2015年2月25日に理事長本人が安倍総理大臣と面会したと記されていたことについて、前回の会見と同じく「3年も前のことで記憶にない。ただ当時の出張の日程表などを見ると、その日に安倍総理大臣と面会した事実はない」と述べて否定しました。
面会は事務局長の“勇み足”
この面会については、当時の渡邉事務局長が勇み足で話をしたものだと説明したうえで、その背景については「私もその場にいなかったのでよくわかりませんが、渡邉氏から聞くと、獣医学部の国家戦略特区について県と市が半分諦めモードだったらしいんです。このままではこれがだめになってしまうと。本人としては、このまま県と市から手をひかれてしまっては、到底できないと」と述べて釈明しました。

首相とのゴルフ「仕事の話しない」

当時、安倍総理大臣とゴルフや会食をした際に獣医学部新設について、
「友達ということで、食事だとかいろんなことをやらせていただいた。基本的に仕事の話はしないというスタンスなので、私が進んで総理にこういう話をしたことはありません」と繰り返し述べました。

事務局長と首相秘書官の面会「報告受けず」

事務局長が4月2日の官邸訪問を含めて3回にわたり柳瀬元総理大臣秘書官と面会していたことについては、「大きな流れは事務局から連絡はありますが、細かいことは任せております。柳瀬さんとの面会については全く聞いていません」と述べて、理事長本人は一切報告を受けていなかったと説明しました。

愛媛県文書 読んでいない

愛媛県の内部文書について記者団から質問されると、理事長自身は内容を読んでいないと答えました。

会見には、当時交渉の中心にいた渡邉事務局長が不在で、質疑時間およそ1時間で終了しました。

加計理事長 これまでの対応

【首相との面会は事務局長のうそ】
ことし5月、国会に提出された愛媛県の内部文書には、2015年2月25日に加計理事長が安倍総理大臣と面会し、獣医学部の構想を伝えたところ、安倍総理大臣が「いいね」と答えたと記されていました。

この面会について安倍総理大臣は否定。

学園は報道各社にFAXを送り、学園の渡邉事務局長が実際にはなかった理事長と総理大臣との面会を引き合いに出し、愛媛県と今治市に誤った情報を与えたと釈明しました。

【6月の理事長会見 否定重ねる】
これに与野党から、加計理事長みずから説明すべきだという声が上がり、ことし6月19日に最初の理事長の会見が岡山県の学園本部で行われました。

この時、加計理事長は安倍総理大臣との関係について「総理とは何十年来の友人で仕事の話をすることはやめにしている。獣医学部についても話したことはない」と述べました。

そのうえで愛媛県の文書に記されていた3年前の2月25日の安倍総理大臣との面会については「記録を調べたところ3年も前のことなので記憶にもないし、記録にもなかった」と述べて、否定しました。

そして愛媛県にこの面会を持ち出した学園の渡邉事務局長を減給6か月の処分にしました。

【会見方法に批判の声】
一方、この会見、当日に急に開催が告げられ、出席する記者も制限されたほか、時間も30分足らずで打ち切られるなど対応が不十分だと批判する声が野党などから上がりました。

愛媛県議会でもことし7月、学園に対して「自らが疑念を晴らすための説明を尽くすことが最も大切だ」として、対外的な説明責任を果たすよう求める決議が採択されていました。

「加計氏らの国会招致を」 立民 福山幹事長

立憲民主党の福山幹事長は、都内で記者団に対し、「愛媛県の文書を読んでいないなど、反省も誠意も全く感じられない。国民の疑念は晴れないと思うので、柳瀬・元総理大臣秘書官や当時の学園の事務局長、愛媛県知事や加計孝太郎氏が、参考人でも証人喚問でも、とにかく国会で一堂に会し、話を聞かせてもらえれば、矛盾やおかしな点がはっきりすると思う」と述べ、引き続き、加計氏らの国会招致を求めていく考えを示しました。