「全国旅行支援」予約方法は?
支援策は?追加販売は?

コロナ禍で大きな影響を受けた観光業界を支援するために始まった「全国旅行支援」。東京を除く46の道府県は、2022年の10月11日から12月下旬まで、東京都は10月20日から12月20日まで実施される予定となっています。「全国旅行支援」の内容、申し込みの仕方、自治体独自の支援策などについて詳しくまとめました。

全国共通で受けられる支援は

補助金による割引率は旅行代金の40%で、その上限は、
▽鉄道やバス、飛行機など交通手段とセットになった旅行商品は、1人1泊当たり8000円まで、
▽それ以外は日帰り旅行を含め5000円までとなっています。

あわせて行き先の都道府県内の土産物店などで使えるクーポン券が、1人1泊当たり平日は3000円、休日は1000円もらえます。大人だけでなく、原則、子どもも対象となります。

利用の条件として、新型コロナのワクチンの3回接種か、検査による陰性証明の書類を提示する必要があります。ただ、住んでいる都道府県内で旅行する場合は、知事の判断で2回のワクチン接種にすることも可能だとしています。

1回の旅行に対し、7泊分までが補助の対象で、期間中は何回でも活用できます。

詳細は都道府県ごとに決定

一方、おととし国が主体となって実施した「Go Toトラベル」と異なり「全国旅行支援」は都道府県が事業の主体となっています。

国は地域の実情に応じた実施を可能にしたとしていて、詳しい内容はそれぞれの判断に委ねられていて、例えば東京都は感染状況の判断などが必要だとして10月11日ではなく20日からの実施になりました。

また、クーポン券の受け取り方も各都道府県に委ねられているほか「全国旅行支援」にあわせ独自の支援策を打ち出している自治体もあります。

観光庁は全国の事務局のホームページを一覧にして参考にするよう呼びかけています。

観光庁ホームページ(NHKサイトを離れます)

申し込み・予約方法は

「全国旅行支援」の補助を受ける際の申し込み方法も、都道府県ごとのホームページなどで確認する必要があります。

宿泊施設や旅行プランが支援対象となっている場合、一般的には旅行会社などを通じて申し込む方法や、宿泊施設に直接、申し込む方法があります。

チェックインの際に本人確認ができるものやワクチンの接種済証といった必要書類を見せ、クーポン券を紙やスマートフォンなどで受け取ります。

自治体の独自の支援策は

旅行客を呼び込もうと独自の支援策を行う自治体もあります。

北九州市 「全国旅行支援」に市独自で最大3000円を上乗せ

政府の観光需要の喚起策「全国旅行支援」をめぐり、北九州市は、11月から独自に最大3000円を上乗せする「北九州歓迎割」を行うことを決めました。これは、北橋市長が10月21日の定例会見で明らかにしたもので、「全国旅行支援」を利用して市内に宿泊する人が対象になります。

上乗せ額は宿泊料金に応じて決まり、1人1泊あたり1万1000円以上で、上限となる3000円分のクーポンが発行されます。

クーポンを利用できるのは市内およそ30の宿泊施設で、「全国旅行支援」の対象プランを予約することで自動的に適用され、宿泊料金や飲食代、それに土産物の購入などに使えるということです。

クーポンの配付期間は、11月1日から12月21日チェックアウト分までで、利用は来年の1月31日まで可能だということです。詳細は、市の観光情報サイトで確認できます。

北橋市長は「旅行支援で拡大する宿泊需要を取り込みたい。秋の行楽シーズンで旅行を計画している人は、歓迎割を使って市内に宿泊してもらい、夜景や歴史文化などの魅力を体験してほしい」と話していました。

徳島県 全国旅行支援に上乗せ 独自の追加支援策

徳島県は、予約に空きがある宿泊施設に観光客をさらに呼び込もうと、旅行支援に上乗せして県独自に行う支援策を発表しました。

「みんなで!徳島旅行割プラス」と題して交通機関での移動がセットの旅行商品を対象に、1泊あたりの料金に応じて1000円から最大で5000円までキャッシュバックされる仕組みです。

11月1日以降に予約した11月7日から12月20日分までの旅行が対象で、予約した後、メールやファックス、郵送のいずれかの方法で支援策の事務局まで旅行前に申請することが必要です。

徳島県は「新型コロナの感染防止対策を徹底したうえで旅行を楽しんでほしい」としています。

追加販売は

愛媛県 「旅行支援」を追加販売

政府の観光需要の喚起策「全国旅行支援」について、愛媛県内の旅行代金が割り引きになる販売枠がすぐになくなり新規の予約を受けられない旅行会社もあったことから、愛媛県は新たにおよそ40万人の宿泊分を追加しました。

県は当初、およそ43万人の宿泊分を用意していましたが、開始直後から予約が殺到したことや、すでに予約していた分も割り引きが適用されたことから一部の旅行会社などでは割り当てられた販売枠がなくなり新規の予約を停止していました。
このため、県は、新たにおよそ40万人の宿泊分を追加することになり、今では順次、旅行会社や旅行予約サイトで新規の受付が再開されているということです。
愛媛県は「多くの方が旅行先に愛媛県を選んでくれたことをうれしく思う。販売枠を追加したので、感染対策を徹底しながら多くの人に旅行を楽しんでもらいたい」と話しています。

“便乗値上げ”は

「全国旅行支援」について、SNS上では「ホテルや旅館が便乗して値上げをしているのではないか」といった声が上がっています。

こうした指摘について、斉藤国土交通大臣は、10月18日の閣議のあとの記者会見で「必要な人手の確保などで値上げが必要な場合もあり、必ずしも値上げのすべてが不適切とは言えないものと考えている。一方で“便乗値上げ”については、需要の創出を支援する趣旨を逸脱するものであり、認められるものではない」と述べました。

そのうえで、斉藤大臣は「そうした事実が確認された場合は、都道府県ともしっかりと連携して厳正に対処していきたい」と述べ、現時点で報告は受けていないものの、不当に価格を上げる行為がないよう事業者に周知していく考えを示しました。