自民党総裁選
府・与党内の受け止めは?

「選挙は勝てばいい 内容に興味ない」麻生副総理

麻生副総理兼財務大臣は自民党本部で記者団に対し、「党員票はこの程度だと思っていたので、特に大勝でもなく、予定どおりだ。選挙は勝てばいいのであって、内容に興味はない」と述べました。

「違う意見を強みに変える党に」石破氏に投票の小泉氏

小泉進次郎 筆頭副幹事長は党本部で記者団に対し、石破元幹事長に投票したことを明らかにしました。
そのうえで、「日本のこれからの発展は、ひとと同じではなく、ひとと違うことを強みに変えられるかが大事だ。だからこそ、自民党自身が違う意見をおさえつけるのではなく、強みに変えていく党でなければならないという思いから判断した」と述べました。
また、安倍総理大臣の3選について、「3期目という未体験ゾーンに入ったので、政治家として腹の底からやりたいことや、思っていることに、完全燃焼してもらいたい。その中で、党内で違う声があっても、強みに変えてもらいたい。そういう自民党になると思う」と述べました。

「両方ともすばらしい票」菅官房長官

菅官房長官は午後の記者会見で、「これから安倍総理大臣が新総裁として会見するので、私からコメントすることは控えたいが、今後とも、内政・外交一つ一つの政策課題に、国民の皆さんの声に真摯(しんし)に耳を傾けながら、しっかり取り組んでいくことが大事だ」と述べました。

そのうえで、菅官房長官は、党員票の得票率が国会議員票に比べ低かったことについて、記者団が、政権運営に対する厳しい見方の表れではないかと質問したのに対し、「それは全くないと思う。両方ともすばらしい票だ。自民党の総裁選挙は大体、このような結果になっている。よかったと思っている」と述べました。

「それぞれが謙虚に受け止めないといけない」二階幹事長

自民党の二階幹事長は記者会見で、「党員票の得票は党員がそれぞれ考えて投票したことだから、そのまま受け止めたい。すぐに党や政権の運営に変化はなく、結果は結果として、それぞれが謙虚に受け止めないといけない」と述べました。

また記者団が石破元幹事長の処遇について質問したのに対し、「すべての問題に対して、オール日本、オール自民党で戦っていきたい」と述べました。

「チャンスがあれば総裁選挙に挑戦」に意欲 岸田氏

今回、立候補を見送り、安倍総理大臣を支持した岸田政務調査会長は、記者団に対し、「党員票、国会議員票の出方を振り返りながら、自民党の現状について、いろいろ思いを巡らす貴重な機会にしなければならない。重要な選挙を来年に控え、安倍総裁のもと一致結束して課題に向かっていく自民党でありたい」と述べました。

そのうえで、「ポスト安倍」について「何ができるのか真剣に考えていきたいし、チャンスがあれば総裁選挙に挑戦してみたい」と述べ、意欲を示しました。

「もっと開かれた党に」竹下総務会長

自民党総裁選挙で石破元幹事長を支持した竹下総務会長は記者会見で、「本音を言えば、候補者どうしの議論が思う存分には行われなかったと思っている。もっと開かれた党でなければならないが、結果は結果として真正面から受け止める以外ない」と述べました。

そのうえで、竹下氏は「安倍総理大臣も、石破氏も、街頭に出ると人が集まる政治家であり、党にとって非常に大事だ。これからも、2人とも、もっと汗をかいてほしい」と述べました。

「石破氏のよさを理解いただきよい形になった」吉田参院幹事長

竹下派の参議院側のメンバーで、石破元幹事長を支持した吉田参議院幹事長は党本部で記者団に対し、「予想外と言ったら失礼だが、石破氏のよさを広く理解していただき、結果的によい形になった。これからは安倍総理大臣のよさと、石破氏のよさとが相まって、一致結束し、来年の参議院選挙に向けて頑張ることが大事だ」と述べました。

「結果を尊重 的確に合意つくり実行したい」公明 山口代表

公明党の山口代表は記者会見で、「自民党の選択なので、結果を尊重したい。今後も、的確に合意をつくりながら、すでに決めていることや、これから必要となることを実行していきたい」と述べました。

一方、憲法改正については「今後、国民や国会に対し、どう対応するかは、自民党自身が判断することで、よく注視しながら対応したい。今後、党の人事なども行われていくと思うので、そうした過程の中で、どうするかだろう」と述べるにとどめました。

「議論の見える化 よかった」野田総務相

総裁選挙への立候補を目指していた野田総務大臣は、総務省で記者団に対し、安倍総理大臣に投票したことを明らかにしたうえで、「前回と違い、総裁選挙を行って、議論を戦わす場が『見える化』できたことはよかった。安倍総理大臣を信任するかどうかだったと思うが、多くの議員がこれまでの政権運営の成果を評価した結果だった」と述べました。

次はもっと論戦を 野田毅選管委員長

自民党の野田毅・総裁選挙管理委員長は記者会見し、6年前に比べて、選挙期間中の演説会が大幅に減ったことについて、「外交案件があるという制約の中で、最低限の機会は確保できたのではないか」と述べました。
一方で、「できるだけ多くの人に直接訴える機会をつくることが望ましい。そういう環境作りをしてもらえるよう、次の選挙管理委員会には伝えたい」と述べました。
また野田氏は国会議員票405票のうち無効票となった3票は、いずれも白票だったことを明らかにしました。

「いいところに落ち着いて絶妙な結果」甘利氏

安倍総理大臣の選挙対策本部の事務総長を務めた、甘利・元経済再生担当大臣はNHKのインタビューに対し、「国会議員票は8割をクリアできて、ほっとしており、党員票は、最初から『55%を超えたい』と言ってきたので、若干、超えることができた。党員は判官びいきや、バランス感覚が働いたのだと思うが、それが自民党員・日本国民のよさであり、いいところに落ち着いて、絶妙な結果だった。今後、党が一体となって、国家や世界の課題を解決するためにまい進できる」と述べました。

「安倍総理にも投票できない」船田氏が白票

自民党の船田元 衆議院議員は記者団に対し、総裁選挙で白票を投じたことを明らかにしました。
理由について、船田氏は「石破氏は、かつて同じ派閥にいたが、相談もなしに派閥を出て行った過去があり、投票は難しいと早い段階から思っていた」と説明しました。
また、「憲法改正について総理大臣が発言すると、いろいろな問題が生じるのに、安倍総理大臣は積極的な発言をしてきた。このため、同調することはできず、安倍総理大臣にも投票できないと判断した」と述べました。