シナ海 対潜水艦訓練
「特定の国 念頭にない」

海上自衛隊が、中国が軍事拠点化を進める南シナ海に潜水艦などを派遣し、海中を航行する潜水艦の動きを捉える訓練を行ったことについて、菅官房長官は、自衛隊の技量向上が目的であり中国などの特定の国を念頭に置いた訓練ではないという認識を示しました。

海上自衛隊は先週、中国が軍事拠点化を進める南シナ海に潜水艦や護衛艦を派遣し、これまで主に日本周辺の海域で行ってきた海中を航行する潜水艦の動きをとらえる訓練を行いました。

南シナ海まで南下してこうした訓練を行ったり、それを発表したりするのは、異例のことです。

これについて菅官房長官は記者会見で「あくまでも今回の訓練は自衛隊の戦術技量の向上を目的とするものだ。特定の国を念頭に置いて行ってはいない」と述べ、中国などの特定の国を念頭においた訓練ではないという認識を示しました。

防衛相「以前から幾度となく行っている」

小野寺防衛大臣は記者団に「あくまで自衛隊の戦術や技量の向上を図るものであり、特定の国を念頭に置いたものではない。南シナ海での潜水艦が参加する訓練は15年以上前から幾度となく行っていて、去年やおととしも実施している。海上自衛隊は南シナ海ではアメリカやオーストラリア、フィリピンとも共同訓練を実施している」と述べました。

共産 小池書記局長「緊張高め 極めて有害」

共産党の小池書記局長は記者会見で「軍事力で対抗し、けん制するという明らかなメッセージで、緊張を高める動きであり、極めて有害だ。中国による南シナ海での軍事拠点作りは、力による現状変更で国連憲章にも反する覇権主義的な行動だが、正面から批判するのは外交の仕事であり、軍事力で対抗すべきものではない」と述べました。