法で定めた臨時国会の
召集義務に背いた」と提訴

去年、野党が臨時国会の召集を要求したにもかかわらず、安倍内閣が3か月余りにわたり召集しなかったのは憲法違反だとして、参議院議員が国を訴える裁判を東京地方裁判所に起こしました。

訴えを起こしたのは、無所属の小西洋之参議院議員です。

訴えによりますと、去年6月、通常国会の閉会後に野党4党が加計学園の問題の真相を解明する必要があるなどとして、臨時国会の召集を求めたのに対し、安倍内閣が3か月余り召集しなかったのは、憲法に違反するとしています。

憲法53条では、衆議院か参議院のいずれかで議員の4分の1以上の要求があれば、内閣が臨時国会の召集を決定しなければならないとされ、この要件は満たしていたということです。

一方で、召集する時期について憲法には規定がなく、安倍内閣は去年9月に臨時国会を召集しましたが、召集した当日に衆議院を解散しています。

このため、小西議員は審議の機会が奪われたとして、1万円の賠償を求めています。

小西議員は会見で「内閣が憲法で定めた臨時国会の召集義務に背くと、国会が内閣を監督する役割を果たせなくなってしまう。議会制民主主義の存立に関わる問題だ」と話しています。

当時の対応について政府は、去年10月、「いかなる場合に衆議院を解散するかは内閣が政治的責任で決めるべきものだ」とする答弁を閣議決定しています。