日本維新の会代表選挙に足立氏 馬場氏 梅村氏が立候補

日本維新の会の代表選挙が告示され、国会議員3人が立候補し、選挙戦がスタートしました。8月27日に開かれる臨時党大会で、新たな代表が選出されます。

松井代表の後任を選ぶ日本維新の会の代表選挙は8月14日告示され、大阪の党本部で立候補の受け付けが行われました。

立候補したのは、届け出順に、
▽足立康史 衆議院議員、
▽馬場伸幸 共同代表、
▽梅村みずほ 参議院議員の3人です。

3人は14日午後、大阪市内で街頭演説を行いました。

足立氏は「これからは『One維新』だ。党員や支持者が第1で、いちばん偉い『党員民主主義』という制度をつくり、国と地方が横並びの組織をつくらなければならない」と訴えました。

馬場氏は「今回の選挙は、継承と新たな飛躍がうたわれている。松井代表がやってきたことは絶対に間違っておらず、さらに改革を広げて、国民や納税者に喜んでもらえる政治をやりたい」と訴えました。

梅村氏は「日本一の政党を目指し、野党第一党を奪取するための課題は、若年層の支持率の低さで、女性の支持も足りていない。今こそ、いい意味でのイメージチェンジが必要だ」と訴えました。

立候補には、党所属の国会議員や地方議員などで構成される「特別党員」30人以上の推薦人が必要で、
▽足立氏が39人、
▽馬場氏が306人、
▽梅村氏が30人となっています。

代表選挙は「特別党員」580人余りと、「一般党員」およそ1万9300人がすべて1人1票で参加し、今月27日に開かれる臨時党大会で投開票が行われ、新たな代表が選出されます。

日本維新の会の代表選挙が行われるのは初めてで、選挙戦では大阪のほか、東京や横浜、名古屋などでの街頭演説や、オンラインでの討論会も予定されていて、今後の党運営や全国に党勢を拡大するための方策などをめぐって論戦が交わされる見通しです。

日本維新の会とは

「日本維新の会」の源流は12年前の2010年、当時の大阪府の橋下徹知事が、府や市を再編する、いわゆる「大阪都構想」を掲げて結成した地域政党「大阪維新の会」です。

翌年(2011年)行われた統一地方選挙では、大阪府議会で過半数、大阪市議会で第1党を獲得。

秋には橋下氏が知事を辞職して、知事選挙と市長選挙の「大阪ダブル選挙」を仕掛け、橋下氏が市長に、今の代表の松井一郎氏が知事に当選し、勝利をおさめます。

2012年には国政への進出を目指して「日本維新の会」を立ち上げ、元東京都知事の石原慎太郎氏が率いる「太陽の党」と合流して臨んだ衆議院選挙で54議席を獲得し、野党第2党となりました。

しかし、原発や憲法改正といった基本政策をめぐり、考えの違いが表面化するなどして党は分裂。

2015年5月には「大阪都構想」が住民投票で否決され、大阪市長だった橋下氏は、12月までの任期かぎりで政界を引退する意向を表明します。

一方で、11月には橋下氏や松井氏が中心となって、新たな政党「おおさか維新の会」を結成し、翌年には党名を変更して、今の「日本維新の会」となりました。

党の看板政策ともいえる「大阪都構想」をめぐっては、おととし(2020年)、2回目の住民投票にこぎつけますが、再び否決。

この責任をとる形で、松井氏は大阪市長の任期を終える来年(2023年)4月での政界引退を表明しました。

そして、先の参議院選挙後に代表を辞任する意向を示したことから、今回、初めてとなる代表選挙が行われることになりました。

代表選の仕組み

日本維新の会の代表選挙は、党所属の国会議員と地方議員、知事、市町村長、それに選挙の公認候補予定者で構成される「特別党員」586人と、それ以外の「一般党員」のうち、おととしから2年間、党費を納めている1万9293人が参加します。

代表選挙に立候補できるのは「特別党員」で、「特別党員」の中から30人以上の推薦人を集める必要があります。

自民党の総裁選挙などと違い、「特別党員」と「一般党員」が同じ1人1票を持つため、勝利には数の多い「一般党員」の票を多く集める必要があります。

ただ、「一般党員」の名簿の閲覧は、党員を集めた「特別党員」の許可が必要となるため、「特別党員」の支持の動向が一定程度勝敗に影響を及ぼすものとみられます。

「特別党員」は今月27日の臨時党大会で、「一般党員」は前日までの事前の郵送で、それぞれ投票し、臨時党大会ですべての票の開票作業が行われます。

決選投票などの規定はなく、最も多い票を獲得した候補者が新しい代表に選出されます。