連合 芳野会長 参院選「厳しい結果 責任重い」野党幹部は…

参議院選挙について、立憲民主党と国民民主党の最大の支援組織である連合の芳野会長は、非常に厳しい結果になったという認識を示しました。

参議院選挙で、連合は、立憲民主党や国民民主党などの候補、合わせて55人を推薦し、22人が当選しました。

このうち、比例代表では、傘下の産業別労働組合の出身者9人が両党に分かれて立候補しましたが、1人が落選しました。

連合の芳野会長は11日、立憲民主党の泉代表、国民民主党の玉木代表と、それぞれ個別に会談して、選挙結果について意見を交わしました。

芳野氏は、記者会見で「非常に厳しい結果になった。推薦した全員の当選という目標を実現できなかったので、責任は重いと思っている。今後、選挙の総括をまとめるなかで、しっかり議論していきたい」と述べました。

そのうえで、立憲民主・国民民主両党間の連携が限定的になったことに関連して「両党が大きな塊となり、戦いやすい形に持っていきたいという思いは今も変わらないので、両党への働きかけは続けていきたい」と述べました。

立民 泉代表「最善尽くした」立て直しに尽力の考え

参議院選挙で、改選前の議席を減らした立憲民主党の泉代表は「党をいかに上昇させていくかが責任だ」と述べ、引き続き代表として、党の立て直しに尽力する考えを強調しました。

今回の参議院選挙で、野党第一党の立憲民主党は、改選前の23議席を下回り17議席の獲得にとどまりました。

このうち、比例代表は7議席で、8議席を獲得した野党第二党の日本維新の会を下回り、得票では100万票余りの差をつけられました。

泉代表は11日午後、党本部で記者団に対し「改選前の議席を得た6年前と比べると、支援基盤が大きく分かれるなど、全く違う環境下で選挙を戦わなければならなかったので、最善を尽くしたと考えている。結果は重く受け止めながらも、挽回していく余地が十二分にある結果だった」と述べました。

そのうえで、今後の対応について「代表には任期があり、その期間中、党をいかに上昇させていくかが責任だ。地方の基盤強化を図り、生活者の方々との対話を強化して、党勢の拡大に努めたい。また、もっと今の時代にあった情報発信の取り組みを強化したい」と述べました。

また、党執行部の人事については「現時点では具体的なものはない。今後、よく考えていきたい」と述べました。

維新 松井代表の後任選ぶ代表選 8月下旬にも実施方向で調整

日本維新の会は松井代表が、代表を辞任する意向を示したことを受けて、後任を選ぶ代表選挙を8月下旬にも実施する方向で調整しています。

今回の参議院選挙で日本維新の会は改選前の2倍となる12議席を獲得し、このうち比例代表は、立憲民主党の7議席を上回る8議席で野党で最も多くなりました。

松井代表は10日夜、選挙結果が判明するのに先立ち「来年4月に政界を引退すると決めている人間が、党のトップにいるのもおかしい話で、次の代表にしっかり引き継ぎたい」と述べ、代表を辞任する意向を示しました。

松井氏は近く、党に辞表を提出する予定で、党では後任を選ぶ代表選挙を8月下旬にも実施する方向で調整しています。

代表選挙は、党所属の国会議員や地方議員らに加えて、一般の党員も投票に参加する形で行い、選挙期間中、候補者による公開討論会などを実施する予定だということです。

大阪府知事を務める吉村副代表は10日夜、代表選挙に立候補しない考えを明らかにしていて、今後、国会議員などの間で候補者の擁立に向けた動きが出てくることも予想されます。

国民 玉木代表 “与野党を超え連携協力する方針 今後も継続”

参議院選挙で、改選前の議席を下回った国民民主党の玉木代表は「政府の当初予算に賛成して、政策実現を図ったことがマイナスになったということは一切ない」と述べ、与野党を超えて連携協力する方針を今後も継続する考えを強調しました。

今回の参議院選挙で、国民民主党は改選前の7議席を下回り、5議席の獲得にとどまりました。

玉木代表は東京都内で、記者団に対し「選挙区と比例代表で1人ずつ大切な仲間を失ったことは痛恨の極みだ。一方で、今の国民民主党になって初めての国政選挙となった去年の衆議院選挙と比べると、比例代表の得票が大きく増えたことはプラスに捉えている」と述べました。

そのうえで「政府の当初予算に賛成して、政策実現を図ったことが選挙にマイナスになったということは一切ない。国民のために必要な政策の実現は、与野党を超えて連携協力する姿勢は変わらない」と述べました。

一方、今回の選挙で連携が限定的となった立憲民主党との関係について「国家運営の根本に関する基本政策で一致できていないと、有権者から野合だと思われる。立憲民主党の『原発ゼロ』などの政策は、われわれと相いれないので、しっかり注視したい」と述べました。

共産 常任幹部会が声明「責任を痛感」 参院選の議席減で

参議院選挙で改選前の議席を減らした共産党の常任幹部会は「責任を痛感している」とする声明を発表し、党員の拡大など、党の自力をつける取り組みに全力を尽くすとしています。

今回の参議院選挙で、共産党は改選前の6議席を下回る4議席の獲得にとどまりました。

参議院選挙で共産党の獲得議席が4議席以下となったのは、2010年以来、12年ぶりです。

この結果について、党の常任幹部会は11日「たいへんに残念な結果となったことに対して、責任を深く痛感している」などとする声明を発表しました。

声明では、党の自力をつける取り組みが、質量ともに立ち遅れていることを「弱点」としたうえで、その打開に向けて党員の拡大などに全力を尽くすとしています。

また、憲法改正に前向きな勢力が、非改選議席を合わせて改正の発議に必要な参議院全体の3分の2の議席を占める結果になったことを踏まえ「海外での武力行使への一切の制約を取り払う、9条の改憲を許すなの一点で、国民的な大運動をおこす」としています。

社民 福島党首「本当にうれしい」比例2%超で政党要件を維持

社民党は、参議院選挙の比例代表の得票率が2%を超えて、公職選挙法上の政党要件を維持することが決まり、福島党首は「本当にうれしい」と述べて、党の刷新に尽力する考えを示しました。

社民党は、今回の参議院選挙で比例代表の得票率が2%に届かなかった場合、公職選挙法上の政党要件を失うおそれがありましたが、2.37%を得票して1議席を獲得し、福島氏が5回目の当選を果たしました。

福島党首は11日午前、国会内で記者会見し「政党要件を維持して、国会の中で社民党として頑張れることは本当にうれしい」と述べました。

そのうえで「これまでと違う層からの支持もあった。鍵となる若い世代や女性たちとつながって、党を刷新させ、再生社民党を元気に作っていきたい」と述べました。

一方、憲法改正に前向きな勢力が、非改選議席を合わせて改正の発議に必要な参議院全体の3分の2の議席を占める結果になったことについて「二度と戦争しないと決めた9条が改悪されないよう、改憲阻止の大きな運動を全力でやっていく」と述べました。