観光船沈没受け国土交通省委員会が船舶検査の実効性を議論へ

松野官房長官は8日、北海道の鈴木知事と会談しました。

この中で鈴木知事は、知床半島沖での観光船の沈没事故を受け、再発防止策の検討などを国と連携して進めていきたいという考えを伝えました。

これに対し松野官房長官は、小型船舶の安全対策を検討するために国土交通省に設けた委員会を今週中にも開催して、船舶検査の実効性の向上などについて、議論を始める方針を説明しました。

無人潜水機で撮影した船の外観画像を公開

北海道の知床半島沖で観光船が沈没した事故で、第1管区海上保安本部は8日夜、民間の専門業者が無人潜水機で撮影した船の外観の画像を公開しました。

4月23日、知床半島の沖合で乗客・乗員26人を乗せた観光船「KAZU 1(19トン)」が沈没した事故は、これまでに乗客14人が死亡し、今も12人が行方不明のままです。

水深およそ120メートルの海底に沈んだ「KAZU 1」の周辺では、8日から民間のサルベージ会社が無人潜水機を使って捜索を行っていて、第1管区海上保安本部は8日夜、この無人潜水機で撮影された船の外観の画像2枚を公開しました。

このうち、船の左前方から撮影した画像では、左舷に「KAZU 1」と船名が書かれているのがはっきりと確認できます。

もう1枚は、船を後方から捉えたもので、客室につながるスライド式のドアが開いているのが分かります。

海上保安本部によりますと、今回の捜索でも船の周辺などで人の姿は確認されなかったということです。

無人潜水機による捜索は9日以降も続けられ、今後は別の作業船も合流して、5月中には潜水士が「飽和潜水」と呼ばれる深い海に対応できる方法で海底に潜って、船内に取り残された人がいないか確認する予定です。