賀県も負担を」知事
オスプレイ配備受け入れ表明

佐賀空港への陸上自衛隊の輸送機オスプレイの配備計画をめぐり、佐賀県の山口知事は24日午後、記者会見し「国防政策には基本的に協力する立場であり、佐賀県も一定の負担をすべきだ」などとして、オスプレイの佐賀空港への配備を受け入れる考えを表明しました。

尖閣諸島などの防衛強化の一環として、防衛省は陸上自衛隊の輸送機オスプレイ17機を佐賀空港に配備する計画で、この計画をめぐって小野寺防衛大臣は24日、佐賀県を訪れて山口知事と会談しました。

そして両者は、漁業者の不信感を払拭(ふっしょく)するため、国が佐賀空港を管理する県に着陸料として20年間で100億円を支払ったうえで、それを基に佐賀県が、空港がある有明海の漁業の振興のための基金を作ることなどで合意しました。

これを受けて佐賀県の山口知事が記者会見し、陸上自衛隊のオスプレイの佐賀空港への配備について「防衛省の要請は、国の根幹に関わる安全保障に関するものだ。国防政策には基本的に協力する立場であり、佐賀県としても一定の負担をすべきだ。安全性について防衛省の説明に不合理な点はなく、きょうの合意で、漁業者の不安払拭にも一定のものができたと考えている」と述べ、受け入れる考えを表明しました。

県が計画を受け入れたことで、防衛省は今後、駐屯地などの整備を計画している佐賀市南部の土地の地権者や漁業者との交渉に入る見通しです。

防衛相「非常に大きな進展だ」

小野寺防衛大臣は、福岡県久留米市でNHKの取材に対し、「佐賀県の山口知事が重い決断をし、ご理解を頂いたことは、オスプレイの佐賀空港配備に向けて、非常に大きな進展だ。山口知事の判断に感謝申し上げる。地元の漁業者をはじめ、関係自治体や地域の皆様に配備へのご理解を頂けるよう、引き続き、誠心誠意、対応していく」と述べました。

佐賀県民は

64歳の男性は「オスプレイが必ずしも危険というわけではないと思うし、雇用など経済面でプラスになると思うので、受け入れはいいと思う」と理解を示しました。

一方、22歳の男性は「事故などが心配なので、受け入れには賛成できない」と話していました。

また、50代の会社員の女性は「軽々しく賛成とか反対とか言える問題ではないと思う。オスプレイの配備が佐賀にとって本当にいいことなのかよくわからない」と話していました。