「まん延防止等重点措置」
21日 すべての地域で解除

東京や大阪、愛知など18都道府県に適用されている新型コロナ対策のまん延防止等重点措置について、政府は、すべての地域で今月21日の期限をもって解除することを決めました。
重点措置は、1月8日以来およそ2か月半ぶりに適用地域がなくなります。

政府は17日夜、新型コロナウイルス対策本部を持ち回りの形式で行いました。

そして、東京や大阪、愛知など18の都道府県に適用されているまん延防止等重点措置について、すべての地域で今月21日の期限をもって解除することを決めました。

また、社会経済活動を維持するため、地域の感染状況や保健所の体制などによっては、感染リスクが低い一般の事業所などでは濃厚接触者の特定を求めず、一律の出勤制限を行わないとすることなども決定しました。

これに先立って、山際担当大臣は国会で「今回、重点措置を終了することになる地域を含め、学校、保育所、高齢者施設などの対策を強化したうえで、引き続きオミクロン株の特徴を踏まえた対策を実施していく。さらに今後、感染が再拡大した場合に備え、保健医療提供体制の強化やワクチン接種の推進など引き続き万全の対策を講じていく」と述べました。

重点措置は、1月8日以来、およそ2か月半ぶりに適用地域がなくなります。

山際大臣「過去の経験など踏まえ対策徹底を」

山際新型コロナ対策担当大臣は、記者会見で「これから年度末や新年度、春休みを迎え、多くの人が集まる行事や外出、旅行の機会が増えていく。昨年はこうした時期に感染が拡大し、3月に緊急事態措置を終了したのち、4月には首都圏や大阪府などに対して重点措置を適用することになってしまった」と指摘しました。

そのうえで「こうした過去の経験などを踏まえれば、引き続き学校や保育所、高齢者施設などにおけるオミクロン株への対策の徹底、強化を行い、第6波の確実な収束につなげ、次の感染の波が到来するのをできるかぎり遅くすることが重要だ」と述べました。

立民 小川政調会長「全面解除は時期尚早」

立憲民主党の小川政務調査会長は、記者会見で「政府が突如、重点措置の解除の基準を緩めたことが適切だったのか問われるべきで、全面解除は時期尚早ではないか。今回の決定が、安全宣言だと受け取られないかも懸念しており、近い将来、感染の再拡大を招くようなことがあれば、政府は結果責任を問われる」と述べました。

公明 山口代表「ワクチン3回目の接種加速を」

公明党の山口代表は、党の中央幹事会で「きのう岸田総理大臣から電話があり、重点措置をすべて解除しても、引き続きワクチンの3回目の接種を加速させ、治療薬をしっかり現場に供給して使っていくことを確認した。年度末から年度初めは、人がたくさん動くので、大勢が集まる際の入場制限など地域が行う取り組みを尊重することなども申し合わせた」と述べました。

共産 志位委員長「安心できる状況ではない」

共産党の志位委員長は、記者会見で「新規感染者数は減少傾向とはいえ、一気に減るという状況ではなく、亡くなる方も依然として多いので、決して安心できる状況ではない。迅速なワクチン接種と検査態勢の強化が大事だ」と述べました。

基本的対処方針を変更 濃厚接触者の特定求めない場合も


政府は、新型コロナ対策の基本的対処方針を変更し、地域の感染状況や保健所の体制などによっては、一般の事業所などで濃厚接触者の特定を求めず、一律の出勤制限を行わないことなどを新たに盛り込みました。

濃厚接触者 一般の事業所など特定求めず

変更された基本的対処方針では地域の感染状況や保健所の体制などによって自治体は
感染リスクが高い家庭内、それに医療機関や高齢者施設などで、濃厚接触者の特定を行うとしています。

一方、感染リスクが低い一般の事業所などでは濃厚接触者の特定を求めず、一律の出勤制限は行わないとしています。

そのうえで、濃厚接触者の待機期間について、家庭内で感染があった場合を含め、4日目と5日目の検査が陰性であれば5日目に待機を解除できるようにし、医療機関や高齢者施設、保育所などで働く人は、毎日の検査で陰性であれば、その日の業務を行えるようにするとしています。

ワクチン4回目接種 最新の知見検討

ワクチンの4回目接種については、海外の動向や3回目接種の効果がどのくらい持続するかといった最新の知見を踏まえて検討するとともに、接種の実施を視野に入れ、必要なワクチンを確保するとしています。

また12歳から17歳までを対象にした3回目接種については、予防接種法に基づく予防接種として位置づけられれば、来月から接種を始められるよう、自治体で準備を進めるとしています。

行動制限 都道府県が確認 収容人数の上限を定員まで認める

さらに、飲食やイベント、旅行などの際に、ワクチンの接種歴や陰性の検査結果を確認する取り組みを推奨し、イベントの開催にあたっては、まん延防止等重点措置の対象地域では、感染防止のための計画を作り、都道府県による確認を受ければ、これまで2万人に設定していた収容人数の上限を、定員まで認めるとしています。