害者雇用水増し疑惑
「速やかに審議を」枝野氏

企業や行政機関は、一定の割合以上の障害者を雇うことが法律で義務づけられていますが、複数の中央省庁が、雇用する障害者の数を水増ししていた疑いのあることがわかり、厚生労働省が調査を始めました。

障害者の雇用を進めるため、企業や行政機関は働く人のうち一定の割合以上の障害者を雇うことが法律で義務づけられていて、ことし4月から、民間企業は2.2%、行政機関が2.5%に引き上げられています。企業が定められた割合を達成できなかった場合は、納付金を課されることになっています。

ところが、厚生労働省によりますと、国土交通省や総務省など複数の中央省庁で、雇用する障害者の数を水増ししていた疑いがあるということです。障害者手帳を持たない比較的軽い障害の職員は対象とならないのに、こうした職員についても、対象として数え、職員全体に占める障害者の割合を高く算出していたということです。去年6月時点での中央省庁の職員に占める障害者の割合は2.49%だったとされ、当時義務づけられていた2.3%を達成したことになっていました。

厚生労働省はすべての中央省庁を対象に水増しの規模や実態について調査を始め、今後、できるだけ早く結果を取りまとめるとしています。

これについて立憲民主党の枝野代表は堺市で記者団に対し「信じられない思いだ。全貌解明に向けて、国会としての緊急かつ精力的な動きが求められる」と述べました。

そのうえで枝野氏は「水増しは長期にわたって行われてきたようなので、閉会中審査を開いたり臨時国会を行うことは与党も拒否するような話ではなく、政府・与党として判断すべきだ」と述べ、問題の全貌を解明するため、閉会中審査を早期に開催するなど国会での審議を速やかに行うべきだという考えを示しました。