日韓外相会談 佐渡島の金山
韓国抗議 日本は受け入れられず

ハワイを訪問中の林外務大臣は、韓国のチョン・ウィヨン(鄭義溶)外相と会談し、日本が世界遺産への登録を目指す「佐渡島の金山」をめぐり、チョン外相が改めて抗議したのに対し、林大臣は、韓国独自の主張は受け入れられず遺憾だとしたうえで、今後、韓国側とも誠実に議論を進める考えを伝えました。

日米韓の3か国の外相会談に出席するためハワイを訪問している林外務大臣は、日本時間の13日午前、韓国のチョン・ウィヨン外相とおよそ40分間、会談しました。

会談では、日本が「佐渡島の金山」の世界文化遺産への登録をユネスコに推薦したことをめぐり、チョン外相が、朝鮮半島出身の労働者が強制的に働かされた場所だとして改めて抗議しました。

これに対し林大臣は、事実に基づかない韓国独自の主張は受け入れられず遺憾だとしたうえで、今後、韓国側とも誠実に議論を進める考えを伝えました。

また、林大臣が、太平洋戦争中の「徴用」をめぐる問題や慰安婦問題で、韓国側の責任で適切に対応するよう重ねて求めたのに対し、チョン外相は、従来の韓国側の立場に基づく主張を繰り返しました。

一方、チョン外相は、新型コロナウイルスの感染拡大で冷え込んでいる人的往来を新型コロナ以前の水準に戻したいという考えを示したうえで、日本側に協力を求めました。

そして両外相は、日韓関係を改善するために外交当局の間での協議を加速していくことを申し合わせました。

韓国外務省「佐渡金山めぐり抗議」

韓国外務省によりますと、日韓外相会談で、韓国のチョン・ウィヨン外相は、日本政府が新潟県の「佐渡島の金山」の世界文化遺産への登録をユネスコに推薦したことをめぐり強い遺憾の意を示し、抗議したということです。

また、日韓関係について「正しい歴史認識が未来志向の両国関係発展の根幹だ」と述べたうえで、太平洋戦争中の「徴用」や慰安婦をめぐる問題について韓国政府の立場を改めて説明し、被害者が受け入れられる解決策を模索するため、外交当局間の協議を加速させることを求めたとしています。

このほか、半導体の原材料などの韓国向けの輸出管理を日本が厳しくした措置を早期に撤回するよう重ねて求めた一方で、両国の人的交流が新型コロナウイルスの感染拡大以前の水準に戻ることに期待するとして日本側の協力を促したということです。