拝行けず申し訳ない」
首相 靖国神社に玉串料

「終戦の日」の15日、安倍総理大臣は、自民党の柴山 総裁特別補佐を通じて、自民党総裁として、私費で、靖国神社に玉串料を納めました。

「終戦の日」の15日、安倍総理大臣は、靖国神社に参拝せず、自民党の柴山 総裁特別補佐を通じて「自民党総裁・安倍晋三」として私費で玉串料を納めました。

このあと柴山氏は記者団に対し「昨年に引き続き自由民主党・安倍晋三総裁の名代として私がただいま参拝をさせていただいた。安倍総裁からは『先人たちのみ霊にしっかりとお参りをしてください。本日は、参拝に行けずに申し訳ない』という言葉があった」と述べました。

安倍総理大臣は、第2次安倍内閣が発足して1年後となる5年前平成25年12月に靖国神社に参拝しましたが、それ以降は参拝しておらず「終戦の日」には、毎年、私費で玉串料を納めています。

韓国外務省「深い憂慮を示す」

安倍総理大臣が自民党総裁として、靖国神社に私費で玉串料を納め、衆参両院の国会議員が参拝したことについて、韓国外務省は報道官の論評を出しました。

論評では、「日本政府と議会の責任ある指導者たちが、過去の植民地収奪と侵略戦争の歴史を美化している靖国神社に、ふたたび玉串料を奉納して参拝を強行したことに対して深い憂慮を示す」と非難しました。

そのうえで「韓国政府は、日本の政治指導者たちが歴史について真摯に反省する姿勢を見せるよう、追及する。そのような姿勢のもとで、日韓関係は未来志向的に発展し、日本は周辺国の信頼を得られるという点を指摘したい」と主張しています。

一方で、ことしの論評は、去年とおととしと同様、安倍総理大臣を名指しで批判することは避けています。

中国外務省「断固として反対する」

安倍総理大臣が、自民党総裁として靖国神社に私費で玉串料を納め衆参両院の国会議員が参拝したことについて、中国外務省の陸慷報道官はコメントを発表し、「靖国神社は侵略戦争に対して直接の責任を負うA級戦犯をまつっていて、日本側の誤った対応にわれわれは断固として反対する」と批判しました。

そのうえで「日本には侵略の歴史を直視して深く反省し、実際の行動をもってアジアの隣国や国際社会の信用を得るよう促す」としています。

また中国国営の中国中央テレビは、現地時間の15日正午からのニュースで安倍総理大臣が6年連続で靖国神社に玉串料を納めたと伝えました。

そのうえで靖国神社については「A級戦犯をまつっていて、長期にわたり一部の政治家が参拝し、中国や韓国などアジアの国の不満を招いている」と伝えています。