分科会尾身会長 キーワード
人流抑制でなく人数制限

「基本的対処方針分科会」の尾身茂会長は、会合のあと報道陣の取材に応じ、政府の方針を了承したと述べました。
そのうえで、尾身会長は「今までやってきた対策を踏襲するのではなく、オミクロン株の特徴にあったメリハリのついた効果的な対策が重要だ。これまでの『人流抑制』ではなく『人数制限』というのがキーワードになると考えている。オミクロン株の感染経路の調査で分かってきたのは、多くの人が集まって、飲食して、大声を出し、換気が悪い環境で多くの感染が起きているということだ。感染リスクの高い状況に集中して対策を行うことが重要だ」と述べました。

そして、人数制限の具体的な在り方について、「4人くらいで静かに、話すときはマスクをしていれば店を閉める必要はない。例えば飲食店では、1グループ当たりの人数を制限することと、同じ空間にどれだけの人がいるのか、グループごとの距離が保たれているか、換気がしっかりできているかということが重要だ。飲食店だけで注意してもしかたがなく、家庭や職場でも人が集まって大声が出るパーティーなど、感染リスクの高い場面を避けることが重要だ」と指摘しました。

また、政府が「ワクチン・検査パッケージ」を原則、当面適用しない方針を基本的対処方針の案に盛り込んだことについては、「オミクロン株の感染が広がり、ワクチンによる感染予防効果がかなり減っている。現状では検査の方の重要性が増してきている」としたうえで、パッケージの再開については、「追加接種などでワクチンの感染予防効果がしっかりと確認されることが必要になると思う」と述べました。

加えて尾身会長は、「オミクロン株は感染拡大のスピードが速い一方で、感染が下がるのも速い可能性も指摘されている。ただ、感染のピークがものすごく高くなれば、多くの高齢者に感染が広がり、感染者が減っても重症者が増え続けてしまうおそれがある。また、医療機関などで欠勤者が出て、社会全体の機能維持に支障がでるということも避けなければならない。なるべく早く対策して、感染を早く下降方向に持って行くことはとても重要だと考えている」と述べました。