イージス・アショア1340億
「価格を精査」小野寺防衛相

新型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」をめぐり、小野寺防衛大臣は、当初1基あたり800億円程度を目安としていた取得経費について、最新鋭のレーダーを搭載することなどから、500億円多いおよそ1340億円に増える見通しを明らかにしました。

弾道ミサイル対策として、政府は新型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」を2基、山口県萩市と秋田市に配備する方針ですが、米朝首脳会談を受けて配備の見直しの必要性を指摘する声も出ています。

こうした中、小野寺防衛大臣は記者団に対し、搭載するレーダーについて、アメリカ政府とアメリカのロッキード・マーチン社が提案していた「LMSSR」を選んだことを明らかにしました。

「イージス・アショア」本体の1基当たりの取得経費は、イージス艦に搭載されているシステムの費用を参考に当初800億円程度を目安としていましたが、今回選定したレーダーは、弾道ミサイルへの対応能力がより高い最新鋭のものであることなどから、500億円多いおよそ1340億円に増える見通しとなりました。

取得経費は2基でおよそ2680億円と大幅に増えることになり、批判が高まることも予想されます。

防衛省はこうした見通しを基に、必要な経費を来年度予算案の概算要求に盛り込む方針です。配備には契約締結後、6年かかる見通しだということです。

小野寺大臣は「わが国の弾道ミサイル防衛能力は飛躍的に向上する。ただ費用は確定したものではなく、あらゆる段階で価格の精査に努めていきたい」と述べました。

配備費 さらに膨らむか

防衛省関係者などによりますと、必要な搭載ミサイルなどを加えると「イージス・アショア」の経費はさらに膨らむものとみられています。

配備をめぐっては候補地の自治体が反発しているほか、野党側は米朝首脳会談後の朝鮮半島情勢の沈静化に加え取得経費が大幅に増額する見通しとなり、配備を見直すべきだなどと追及する構えで、政府は、今後、より丁寧な説明を求められることになりそうです。