「バラマキ合戦」批判の次官
鈴木財務相“問題ない”

財務省の矢野事務次官が、月刊誌に新型コロナウイルスの経済対策にまつわる政策論争を「バラマキ合戦」と批判する記事を寄稿したことについて、鈴木財務大臣は、内容上問題ないという認識を示しました。

財務省の矢野事務次官は、先週発売された月刊誌「文藝春秋」に寄稿した記事で、新型コロナウイルスの経済対策にまつわる政策論争を「バラマキ合戦」と批判し、このままでは国家財政が破綻する可能性があると訴えました。

これについて鈴木財務大臣は、12日の閣議のあとの記者会見で「財政健全化に向けた一般的な政策論として、次官個人の意見を述べたと承知している。内容については、今までの政府の方針に基本の部分で反するものではないと受け止めている」と述べ、内容上問題はないという認識を示しました。

山際経済再生相「官僚が自分の意見を持っているのは自然」

また、山際経済再生担当大臣は、閣議のあとの記者会見で「財務省の事務次官なので発言が重いのは当然だが、官僚が自分の意見を持っているのは自然なことだ。私たちが置かれている状況は緊急事態なわけで、コロナという緊急事態を乗り越えるために思い切った財政出動が必要だということについて、次官が意見を言ったわけではないと認識している」と述べました。

経済同友会 櫻田代表幹事「100%賛成でファクト」

経済同友会の櫻田代表幹事は12日の定例会見で「記事に書かれてあることには100%賛成で、ファクトだと思う」と述べました。

そのうえで「常識で考えても世界で最も多く政府負債を抱えている国を放っておいていいはずはない。一部には自国の通貨で国債を発行でき、国債を国内で消化してインフレさえ起きなければ心配ないという意見もあるが、その話は信用できないし、たらればで国にリスクを追わせるのは無責任だ」と述べ、記事は事実に基づいた内容で問題はないという認識を示しました。