第100代首相に
自民 岸田文雄総裁を選出

自民党の岸田文雄総裁は、4日午後2時ごろ、衆参両院の本会議で行われた総理大臣指名選挙の結果、第100代の総理大臣に選出されました。岸田総裁は4日夜、岸田内閣を発足させることにしています。

菅内閣は、4日午前、総辞職し、これを受けて午後1時から開かれた衆議院本会議で総理大臣の指名選挙が行われました。

その結果、
▽自民党の岸田総裁が311票、
▽立憲民主党の枝野代表が124票、
▽日本維新の会の片山共同代表が11票、
▽国民民主党の玉木代表が11票、
▽自民党の高市政務調査会長が1票で、
岸田文雄総裁が自民党や公明党の支持を受けて、総理大臣に指名されました。

一方、午後1時半から開かれた参議院本会議でも総理大臣の指名選挙が行われ、
▽自民党の岸田総裁が141票、
▽立憲民主党の枝野代表が65票、
▽日本維新の会の片山共同代表が15票、
▽国民民主党の玉木代表が15票、
▽無所属の嘉田由紀子氏が2票、
▽無所属の渡辺喜美氏が2票、
▽国民民主党の伊藤孝恵 副代表が1票で
午後2時ごろ、岸田総裁が総理大臣に指名され、第100代の総理大臣に選出されました。

与党党首会談が終了 閣僚の官邸への呼び込み

岸田総裁は、午後3時前に総理大臣官邸に入り、午後3時半から公明党の山口代表と党首会談を行いました。
会談は終わり、組閣本部が設置されました。このあと、閣僚人事が行われ、起用が内定している松野官房長官が、岸田内閣の閣僚名簿を発表し、岸田内閣の閣僚の総理大臣官邸への呼び込みが始まりました。

このあと皇居での総理大臣の親任式と閣僚の認証式を経て、4日夜には岸田内閣が発足する運びです。

「宏池会」から30年ぶり首相

岸田文雄氏は、池田勇人元総理大臣が創設した派閥、「宏池会」を率いています。

池田氏以降、宏池会からは、大平正芳、鈴木善幸、宮沢喜一の総理大臣を輩出していて、岸田氏で5人目の総理大臣となります。

宏池会から総理大臣が誕生するのは、1991年に就任した宮沢氏以来、30年ぶりとなります。

東京 小池知事「何よりもコロナ対策」

東京都の小池知事は、4日都庁で記者団に対し「まずは何よりもコロナ対策、そして経済の活性化が大変、大きな課題なので、スピード感を持ってやっていただくことを期待している」と述べました。

福島県 内堀知事「復興を『我がこと』として」

福島県の内堀知事は「福島の復興を『我がこと』として全力で真摯(しんし)に取り組んでほしい」と述べました。

内堀知事は、4日午前の定例の記者会見で「福島の復興は現在進行形で、特に原発事故による災害、そこからの復興、全県で残る風評被害など今なお県民に重くのしかかっている」と述べました。

そのうえで「新内閣でも安倍・菅内閣が継承してきた『福島の復興なくして東北の復興なし、東北の復興なくして日本の再生なし』『閣僚全員が復興大臣』という基本的な考えを継承しさらに発展させてほしい。岸田新総理大臣自身が復興を『我がこと』として全力で真摯(しんし)に取り組んでほしい」と述べ、復興に向けた取り組みを一層、深化させるよう求めました。

拉致被害者家族 市川さん「一刻も早い解決訴えていきたい」

43年前に鹿児島県日置市の吹上浜で北朝鮮に拉致された市川修一さんの兄、健一さんは「新総理に対して一刻も早い解決を訴えていきたい。拉致問題の解決には国際社会の協力が必要で、日朝首脳会談の実現を目指して 主権国家としての証しを示してほしい。外交の最重要課題として位置づけられていると思うので、しっかりと取り組んでくれるものと信じています」と話していました。

新首相 行きつけのお好み焼き店は

岸田総理大臣が地元の広島市で長年訪れているお好み焼き店では、店のスタッフ全員が衆参両院の本会議のテレビ中継を見守り、喜びの声をあげました。

岸田総理大臣が家族などと一緒に20年以上訪れている広島市中区鉄砲町にあるお好み焼き店では、4日午後、店のスタッフ全員が衆参両院の本会議のテレビ中継を見守りました。

そして、総理大臣に選出されると、一斉に拍手をしながら「おめでとう」などと声をあげていました。店によりますと、岸田総理大臣は、来店の際、いつも決まってお好み焼きにイカ天やネギなどをトッピングするということですが、最近はダイエットのため、麺の量を半分に減らして注文しているということです。

お好み焼き店「YUBU」の店長の湯蓋陽子さんは「岸田先生にはいつも『おいしいです』と言葉をかけてもらっています。ほかのお客さんからの写真撮影のお願いにも気軽に応じる裏表のない性格です。総理大臣に選出され、うれしいです」と話していました。

地元では号外

岸田総理大臣の地元の広島市中区では、地元の新聞社が第100代の総理大臣に選出されたことを伝える号外を配り、通りかかった人たちが次々に受け取りました。

市内の40代の女性は「新型コロナウイルスの影響で街が沈んでたので、久々に明るい話題が出てよかったです。新しい内閣の顔ぶれをみて新しい風が吹いてくれたらいいなと思います」と話していました。

60代の会社員の女性は「応援していたのでよかったです。よく人の話を聞くということなので、よりよい政治にしてほしい。コロナ禍で経済的に困窮して学校を辞めざるを得ない大学生などを救済してほしい」と話していました。

60代の男性は「期待しています。核兵器禁止条約への対応は難しい面もあると思いますが、前向きな対応の可能性は、岸田さんが一番あると思います」と話していました。