柳瀬審議官の退任発表
加計「影響なし」世耕経産相

世耕経済産業大臣は、24日の閣議後の記者会見で、元総理大臣秘書官の柳瀬唯夫経済産業審議官を退任させる人事を正式に発表しました。また、世耕大臣は、加計学園の獣医学部新設をめぐる問題が退任の理由になったかについては「何ら影響していない」と述べ否定しました。

この中で、世耕経済産業大臣は、元総理大臣秘書官の柳瀬経済産業審議官について「特に外国との通商交渉で大変な実力を発揮した」と述べました。

そのうえで世耕大臣は、今回の人事について「ただ、年次をへて世代交代を図っていかなければならないという面もあり、総合的に判断した」と述べました。

柳瀬氏は総理大臣秘書官だった3年前に加計学園の獣医学部新設をめぐって、愛媛県の担当者らが総理大臣官邸を訪問した際のやり取りを記したとされる文書に「本件は、首相案件」などと発言したと記載されていたことなどから、国会に参考人として招致されました。

世耕大臣は、こうしたことが退任の理由になったかについては「柳瀬氏の経済産業審議官としての業務と全く関係ないので、今回の人事には何ら影響していない」と述べ否定しました。

一方、柳瀬氏の後任の経済産業審議官には、寺澤達也商務情報政策局長を充てることになりましたが、その理由について、世耕大臣は「省内随一のタフ・ネゴシエーターとして数多くの実績がある」と述べ、通商政策の体制を一段と強化するという考えを示しました。

この人事は25日発令されます。

立民 山内氏「とかげの尻尾切りのような人事」

立憲民主党の山内国会対策委員長代理は記者会見で、「加計学園の問題でまだ疑惑が解明されていない中、とかげの尻尾切りのような人事だ。次の就職先が決まっているのかわからないが、経済産業省の関連団体に天下りしないか追いかけていきたい。民間人の立場でも参考人として国会に来てもらうことは可能だ」と述べました。