沖縄 辺野古サンゴ移植
“生育状況も確認し作業”

アメリカ軍普天間基地の移設工事をめぐり、岸防衛大臣は、防衛省が埋め立て予定の海域でサンゴの移植作業を29日から始めたことについて、水温だけでなく、サンゴの生育状況も確認したうえで適切に進めているという認識を示しました。

普天間基地の名護市辺野古への移設工事をめぐり、防衛省は沖縄県が複数の条件をつけたうえでサンゴの移植を許可したことを受けて、29日から埋め立てを予定している海域で移植作業を始めました。

岸防衛大臣は、閣議のあとの記者会見で「水温を含め作業当日の現地の状況を確認のうえ移植の可否を判断した。専門家の指導・助言を踏まえ、サンゴへの影響を十分配慮しつつ適切に移植を進めていきたい」と述べました。

そのうえで、記者団が「専門家から水温が高い時期の移植を避けるべきだとの指摘がある」と質問したのに対し「単純に水温のみで判断するものではなく、サンゴの光合成の活性度や白化状況なども確認したうえで、総合的に判断している」と述べ、適切に進めているという認識を示しました。

一方、埋め立て予定地で見つかった軟弱地盤を改良するため県に設計変更を申請していることについて「回答を待っているが、全体の工事でできるところを進めていく」と述べました。

辺野古沖サンゴ移植“現地の状況確認し行政指導へ”沖縄県知事

アメリカ軍普天間基地の名護市辺野古沖への移設工事をめぐり、沖縄防衛局が埋め立てを予定している海域でサンゴの移植作業を始めたことを受けて、沖縄県は移植を許可した際の条件にしたがっていないことが確認されしだい、30日にも行政指導を行う方針です。

これは沖縄県の玉城知事が30日の記者会見で明らかにしました。

それによりますと普天間基地の名護市辺野古沖への移設工事をめぐり、沖縄防衛局が29日から埋め立て予定地でサンゴの移植作業を始めたことを受けて、沖縄県は職員を現地に派遣して確認を進めるとともに、この時期に移植を行った場合の影響について専門家に意見を聞いているということです。

沖縄県はサンゴの生存率を高めるため、水温の高い時期を避けるなど複数の条件をつけたうえで移植の申請を許可していて、玉城知事は「移植の許可にあたってつけた条件にしたがっていないとみられることから、現地の状況を確認したうえで、行政指導を行いたい」と述べ、30日にも行政指導を行う方針を明らかにしました。

海上では県の漁業取締船「はやて」に乗った職員が移植されたサンゴを確認したり、水温を測定したりしているということです。

30日午前10時半ごろにNHKのヘリコプターが撮影した映像では、サンゴの移植先とされている海域付近で、「はやて」から容器が降ろされ海水を採取している様子が確認できました。