小池都知事 最多感染確認も
“第3波とは状況異なる”

東京都内で28日、これまでで最も多い3177人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されたことについて、小池知事は、今はワクチンの接種が進み、第3波のピークだったことし1月とは状況が異なるという認識を示したうえで、ワクチンの接種と基本的な感染防止対策の徹底に改めて協力を呼びかけました。

東京都内では28日、これまでで最も多い3177人の感染が確認され、2日連続で過去最多を更新しました。

これについて、小池知事は29日午前、都庁で記者団に対し「新規陽性者は、このところ、検査数や陽性率に伴って非常に大きくなっている。一方で、第3波のピークだったことし1月と比べると、ワクチンのある、なしで中身はかなり変わってきている」と述べました。

そのうえで、「ポイントはやはり活動的な若い方々で、若い方々が陽性となる比率が、高齢者が減っているぶん、高まっている。ワクチンの接種と、さまざまな基本的な対策に気をつけていただきたい。ここに尽きる」と述べ、協力を呼びかけました。

また、小池知事は「まさに今は、デルタ株の拡大とワクチンの接種、そして基本的な対策のせめぎ合いだ。基本を守っていただき、無防備になると今の変異株は非常に危ないという認識を皆さんと共有したい」と述べました。

東京都 中高年へのワクチン接種加速などで医療提供体制維持へ

東京都内では29日、過去最多の3865人の感染が確認されたほか、入院患者はことし1月以来、3000人を超えました。都は重症患者の中心となっている中高年へのワクチン接種を加速させるとともに、自宅で療養する人たちへの支援を強化するなどして医療提供体制を維持したい考えです。

都内では29日、3日連続で過去最多を更新する3865人の感染が確認され、これまでにないスピードで急拡大しているほか、入院患者はことし1月以来3000人を超えて、3039人となりました。

また、まもなく人工呼吸器などの治療が必要になる可能性が高い患者も増加傾向で、28日時点で260人と、1か月前のおよそ1.5倍になりました。

都の専門家は「これまで経験したことのない爆発的な感染拡大に向かい、医療提供体制のひっ迫が始まっている」と指摘し、強い危機感を示しています。

一方、29日時点の重症の患者は81人で、ピーク時の半数程度です。

中高年が中心で40代と50代で半数余りを占めます。

都は、感染の急拡大が続く中、中高年へのワクチン接種を加速させるとともに、急増する自宅で療養する人たちへの支援を強化するなど的を絞った集中的な対策を検討し、医療提供体制を維持したい考えです。