“復興した姿を世界に”
有観客の意義を強調

宮城県の村井知事は、宮城スタジアムで行われた東京オリンピックのサッカーの試合を視察したあと、記者団の取材に応じ、震災から復興した姿を世界中に知ってもらえるとして、観客を入れて開催する意義を改めて強調しました。

村井知事は、利府町の宮城スタジアムで、21日午後5時から行われたサッカー女子の中国対ブラジルの試合を視察したあと、記者団の取材に応じました。
この中で「ここに至るまで3年間、準備してきた。感無量だ。観客を入れて開催して本当によかった」と述べました。
その上で、21日は当初、6000人ほどが観戦に訪れる予定でしたが、実際に訪れたのは3000人程度だったと明らかにしました。
村井知事はスタジアム内の感染対策も完璧だったとした上で、「これだけ大きな世界的スポーツイベントを観客も入れて粛々と行い、感染者も出さないんだということを示す絶好の機会だ。東日本大震災から10年がたち、復興した姿を世界の皆様に知っていただき、感謝する気持ちを伝える、そんなオリンピックにしたい」と述べ、復興五輪の成功に向け、観客を入れて開催する意義を改めて強調しました。

宮城スタジアム 有観客で五輪のサッカー試合始まる

東京オリンピックの開幕に先立って、宮城県利府町の宮城スタジアムでは、会場に観客を入れて、21日夕方からサッカーの試合が始まりました。

宮城スタジアムでは、21日から今月31日にかけて、サッカーの男女10試合が行われます。
初日の21日は、サッカー女子の中国対ブラジルと、ザンビア対オランダの2試合が行われ、午後5時に最初の試合が始まりました。
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、東京オリンピックはほとんどの競技が無観客での開催となりましたが、宮城スタジアムは、1万人を上限にしながらも観客が入ることのできる数少ない会場です。
スタジアム周辺には、午後1時半すぎから、JR仙台駅や仙台港などからシャトルバスが次々と到着し、マスクを着けた観客が誘導に従ってスタジアムの中へと入っていきました。
会場の周辺では混雑する様子はみられず、試合が始まったあとも会場の観客はまばらです。
宮城県と利府町によりますと、午後5時現在、トラブルなどの情報は入っていないということです。
宮城スタジアムでは、午後8時から、2試合目のザンビア対オランダの試合が行われます。
また、今月27日にはサッカー女子の日本代表とチリの試合、30日は女子の準々決勝、31日は男子の準々決勝が行われます。
感染拡大の防止という課題に取り組みながら、「復興五輪」そして「平和の祭典」という理念をどのように実現していくか、運営のあり方が問われる大会となります。