「『方政策』基礎に協力」
河野外相 マレーシア訪問で

マレーシアを訪れている河野外務大臣は、ことし5月に政権に復帰したマハティール首相と会談し、両国関係をさらに強化していくことで一致しました。

マハティール首相と会談

河野外務大臣は日本時間の11日午後、ことし5月の選挙で政権に復帰し、10日に93歳の誕生日を迎えたマハティール首相と会談しました。

この中で、河野大臣は「かつてマハティール首相が始めた『東方政策』と呼ばれる日本との人材交流を基礎に、教育分野をはじめ両国の協力関係を拡大し、深めていきたい」と述べました。

これに対し、マハティール首相は「訪問を歓迎する。私も頻繁に日本を訪問し、関係をさらに強化したい。日本からのさらなる投資にも期待している」と応じました。

また、両氏は北朝鮮問題や中国による南シナ海での海洋進出などについて意見を交わし、河野大臣は北朝鮮による拉致・核・ミサイル問題を包括的に解決することが重要だとして協力を求めました。

外相との会談では

河野外務大臣は、日本時間の11日午後、マレーシアの首都・クアラルンプール近郊で、今月、就任したばかりのサイフディン外相とも会談し、北朝鮮の非核化をめぐって意見を交わしました。

そして、北朝鮮国内のすべての大量破壊兵器や弾道ミサイルが、完全で検証可能かつ不可逆的に廃棄されるまで、国連安全保障理事会の決議に基づく制裁は維持すべきだという認識で一致しました。

また、河野大臣は、拉致問題の解決に協力を求め、サイフディン外相も理解を示しました。

一方、河野大臣は、法の支配や航行の自由といった価値観を重視する「自由で開かれたインド太平洋戦略」を説明し、マレーシアが、南シナ海やマラッカ海峡など重要な航路に面していることを踏まえ、巡視艇の供与や人材育成など、海洋安全保障の分野での協力を強化する考えを伝えました。