都議選受け衆院選発言相次ぐ
菅首相“詳しく分析し生かす”

東京都議会議員選挙で自民・公明両党が過半数の議席に届かなかったことについて、菅総理大臣は自民党役員会で、結果を謙虚に受け止め、次の衆議院選挙に向けて要因を詳しく分析する必要があるという認識を示しました。

4日に行われた東京都議会議員選挙で自民党は第1党となったものの、公明党と合わせて過半数の議席には届かず、過去2番目に少ない33議席にとどまりました。

これについて菅総理大臣は6日の自民党役員会で「目標とした自民・公明両党で過半数の議席には届かなかった。結果を謙虚に受け止め、要因をしっかり分析したうえで今後に生かしていきたい」と述べました。

これに対し出席者からは「何が足りなかったのかを精査し、気を引き締めて衆議院選挙に臨む必要がある」といった指摘が相次ぎました。

河野規制改革相「襟を正さなければいけない」

河野規制改革担当大臣は東京都内で講演し「自民党もしっかりと襟を正さなければいけない。当初の世論調査で言われた数字と結果がだいぶ違ったところがあり、具体的にどこを見つめ直さなければいけないか、党でいろいろ反省のうえに作業をしていると思うが、衆議院選挙に向けてメッセージを発信していかなければいけない」と述べました。

一方「菅総理大臣が自民党総裁選挙への立候補を目指す場合、閣僚として支持するのか」という質問に対し「それは閣僚として判断する」と述べました。

自民 野田幹事長代行「有権者からの警告」

自民党の野田聖子 幹事長代行は記者会見で「厳しい結果が出た。甘えや緩みが出ていたのであれば、有権者からの『しっかりやれ』という警告だと思って、不満や不安を解決できるように次に向かって頑張っていくしかない」と述べました。

そのうえで記者団から「執行部の責任をどう考えるか」と問われたのに対し「責任論とかそういうことよりも、みずからが変わっていかないといけないということだ」と述べました。

自民 世耕参院幹事長「分析し態勢整える」

自民党の世耕参議院幹事長は記者会見で「結果を謙虚に受け止めて分析し、衆議院選挙や来年の参議院選挙に向けて態勢を整える必要がある。新型コロナウイルスのワクチン接種が順調に進みすぎた結果、職域接種で少し制限しなければならない状況が誤解されて伝わった面もあるのではないか」と述べました。

衆院選は感染落ち着いたあと 自民 山口選挙対策委員長

次の衆議院選挙の時期について、自民党の山口選挙対策委員長は、菅総理大臣が新型コロナウイルスの収束を最優先に位置づけているとして、感染状況が落ち着いてからになるという見通しを示しました。

自民党の山口選挙対策委員長は埼玉県東松山市で記者会見し、次の衆議院選挙の時期について「菅総理大臣は新型コロナウイルスの収束が最優先と言っている。裏を返せば、新型コロナが落ち着かなければ解散しないと取れるのではないか」と指摘しました。

そして、衆議院選挙の勝敗ラインは、自民・公明両党で過半数の議席の確保になるという認識を改めて示しました。

一方、山口氏は、次の衆議院選挙には立候補しない考えを正式に表明し「これまで培った人脈や経験、能力をすべて投入し、党の選挙対策委員長として、衆議院選挙を何としても勝ち抜きたい。議員生活の総決算とする覚悟だ」と述べ、選挙対策委員長の職を続ける考えを強調しました。

“衆院選 ワクチン接種進展後が望ましい” 公明 山口代表

次の衆議院選挙の時期をめぐって公明党の山口代表は、新型コロナウイルスのワクチン接種が進めば、有権者が候補者の訴えを聞く機会が増えると指摘したうえで、遅いほうが望ましいという認識を示しました。

公明党の山口代表は、6日の記者会見で、次の衆議院選挙の時期に関連し「新型コロナウイルスのワクチン接種が進むことによって、人々が活動しやすくなっていくし、有権者が、候補者や政党の訴えを聞く機会が広がっていったほうがいい」と指摘しました。

そのうえで「一般論で言えば、遅いほうが望ましいと言えるかもしれない」と述べ、選挙時期は遅いほうが望ましいという認識を示しました。

一方で、記者団から、菅総理大臣の自民党総裁としての任期が9月末までとなっていることとの関係を問われたのに対し「総裁選挙の時期をどうするかは自民党が決めることなので、『それを動かせ』とか『どうこうしろ』ということは申し上げる立場ではない」と述べました。

立民 枝野代表 “都議選での教訓や反省踏まえ衆院選準備を”

東京都議会議員選挙の結果について、立憲民主党の枝野代表は、擁立した候補者の半数近くが落選し、自民党に代わる選択肢として浸透しきれなかったとしたうえで、衆議院選挙では政権批判の受け皿になるため、都議選での教訓や反省をいかして準備を進める考えを強調しました。

4日の東京都議会議員選挙では、自民・公明両党が過半数の議席に届かなかった一方、立憲民主党は選挙前の8議席から15議席に増やしたものの、候補者全体の半数近くは落選しました。

これについて、立憲民主党の枝野代表は、6日の党の役員会で「残念ながら候補者が当選に届かなかったところがいくつもある。『自民党に代わる選択肢は、われわれしかいない』ということが十分に届けきれない選挙になったことを真摯(しんし)に受け止めている」と述べました。

そのうえで、「今回の教訓・反省を踏まえて総選挙の準備に当たっていく。多くの国民が今の政権に強い不満を持っていることが明らかになったのは間違いないので、その声を受け止めていけるよう、引き締めてやっていきたい」と述べました。