接種センター予約埋まらず
対象を全国に拡大 電話でも

政府の大規模接種センターで行うワクチン接種について、防衛省は、予約枠に多くの空きがあることから、対象地域を全国に拡大するとともに12日からは電話での予約の受け付けを始めることを決めました。

政府が設置した大規模接種センターの6月14日から27日までの2週間分の予約は、10日午後5時の時点で、東京会場で14万件の予約枠のうち11万2000件余りが、大阪会場で7万件のうち4万7000件余りが空いています。

これを受けて接種センターの運営に当たっている防衛省は、10日の対策本部会議で、これまで、東京会場は東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県、大阪会場は大阪、京都、兵庫の2府1県に限定していた対象地域を65歳以上の高齢者であれば全国どこからでも予約できるようにすることを決めました。

また、これまでインターネットに限っていた予約方法も、利便性を高めるため、12日午前7時からは電話でも受け付けることを決めました。

電話番号は、
▽東京会場が「0570-056-730」、
▽大阪会場が「0570-080-770」で土日祝日も含めて受付時間は、午前7時から午後9時までです。

中山副大臣 「接種の移動は不要不急の外出に当たらない」

中山防衛副大臣は、記者団に対し「ワクチン接種能力をより広範囲の国民に提供することを目的に地域制限を撤廃した。今後、基礎疾患がある人や、高齢者施設などで勤務している人を含め、64歳以下の人にも接種券が送付されるので、さらなる対応をしていきたい」と述べ、今後、対象年齢の引き下げも検討する考えを示しました。

一方、対象地域を全国に拡大することについて、記者団が「緊急事態宣言のさなかに、県境をまたぐ高齢者の移動を促進させることにつながりかねないのではないか」と質問したのに対し、中山副大臣は「感染拡大の防止のために実施する大規模接種センターでのワクチン接種のための移動は、不要不急の外出に当たらないという認識で判断した」と述べました。

対象地域の拡大に予約枠埋まらない現状

防衛省が大規模接種センターでのワクチン接種の対象地域を全国に拡大したのは、用意した予約枠が埋まらない現状があるからです。

予約の受け付けは、当初、1週間ごとに区切って行われ、センターが開設された5月24日からの最初の1週間分の枠は、受け付け開始からまもなく予約で埋まっていました。
しかし、6月14日から27日までの2週間分では、10日午後5時の時点で、東京会場では14万件の枠のうち2割ほど、大阪会場では7万件のうち3割余りしか予約が入っていません。

これについて防衛省は「自治体でも大規模接種が始まるなど、接種機会の選択肢が増えたことが大きな要因ではないか」とする一方「高齢者がインターネットで予約することが難しいことや、自宅から遠いことも理由として考えられる」としています。

さらに、予約に必要な番号を記した接種券が行き渡っていないという指摘もあります。

自治体によっては、一部の高齢者への接種券の配付が行われていないということで、予約したくてもできない人がいる可能性もあります。