かれてない取締役会の
議事録に印鑑が」会社関係者

去年の衆議院選挙の直前、細野豪志 元環境大臣に証券会社から5000万円がわたっていた問題で、証券会社が細野氏への貸し付けを正式に決めたとする取締役会が実際には開かれず、議事録をあとになって偽造していた疑いがあることが関係者への取材でわかりました。金融当局は、こうした経緯について証券会社から報告を求め、調べを進めているものとみられます。細野氏の事務所は「事実関係を把握しておらずコメント致しかねる」としています。

細野元環境大臣は去年の衆議院選挙の直前に東京 港区の証券会社から5000万円を受け取っていましたが「個人の借り入れだった」として資産報告書を訂正しています。

この資金提供について、証券会社は、5日前の去年10月14日に開いた取締役会で、細野氏への貸し付けを正式に決めたとする議事録を作成していましたが、取締役会は実際には開かれず、議事録をあとになって偽造していた疑いがあることが関係者への取材でわかりました。

また、借用書も当初は交わされておらず、去年12月に作成されていたほか、利息もおよそ3か月間支払われていなかったということです。

NHKの取材に対し、証券会社の関係者は「開かれていない取締役会の議事録に役員の印鑑が勝手に押されていた」と証言しています。

金融当局は、細野氏への資金提供について、去年12月以降、証券会社に報告を求めていて詳しい経緯について調べを進めているものとみられます。

NHKの取材に対し、証券会社は「貸し付け契約は口頭でも成立するので書面はなくてもよいと思っていた。議事録については、お答えできない」としています。

細野氏の事務所は「借り入れの条件は事前に話し合っていたが、双方の連絡不足で借用書の作成や利息の支払いが遅延していた」としたうえで、証券会社側の経緯については「事実関係を把握しておらず、コメント致しかねる」としています。