医師会長“全国宣言検討を”
政治資金パーティー出席陳謝

新型コロナウイルス対策をめぐり、日本医師会の中川会長は、記者会見で、変異ウイルスの感染が全国的に拡大しているとして、今後各地で感染者が急増した場合には、全国を対象に緊急事態宣言を出すことも検討すべきだという考えを示しました。

この中で、日本医師会の中川会長は「今回の第4波は、全国すべての都道府県に変異株がジワジワ広がっているのが特徴だ。感染者数の多い都市部から、県境を越えて感染が広がるケースもある。短期間で指数関数的に感染者数が増えることも否定できない」と述べました。

そのうえで「今後全国的に感染が急増する事態になった場合、すべての都道府県を対象にした緊急事態宣言の発令も、必要があればちゅうちょなく早めに出すべきだ」と述べました。

また中川会長は、ワクチンの接種体制の構築に全力で取り組む一方「現在のような感染拡大が続けば、医療資源が手薄になり、政府が目指す1日100万人の接種が困難になる可能性がある」と指摘しました。

政治資金パーティー出席を陳謝

一方、中川会長は、先月20日「まん延防止等重点措置」が適用されていた東京都内で、みずからが後援会長を務める国会議員の政治資金パーティーに出席していたと説明したうえで「感染防止対策を徹底していたが、多くの人ががまんを続けている中、慎重に判断すべきだった。多くの批判をいただいており、ご心配をおかけし申し訳ない」と陳謝しました。

立民 安住氏「説得力がなくなる」

立憲民主党の安住国会対策委員長は、記者団に対し「あれだけ記者会見で国民に強い口調で呼びかけてきたのに、自分が守らなければ、ことばの説得力がなくなる。国会議員の勉強会なども自粛している中で、医師会長がそういう集会に出るというのは、ちょっと首をかしげる」と述べました。