首相 気候変動問題 日米で
主導し中国に働きかけ

気候変動問題をめぐり、菅総理大臣は、脱炭素社会の実現に向けて日米両国で国際社会の議論を主導するとともに、中国に対し、大国としての責任を果たすよう働きかけていく考えを示しました。

21日の参議院本会議では、バイデン大統領との首脳会談など、今回のアメリカ訪問について、菅総理大臣の報告と各党の質疑が行われました。

自民 中西祐介氏「CO2排出大国 中国の協力が不可欠」

自民党の中西祐介氏は、気候変動問題について「CO2排出大国である中国こそ、脱炭素化への移行に協力が不可欠だ」と指摘し、対中戦略や日米間の役割分担を質問しました。

これに対し、菅総理大臣は「脱炭素社会の実現に向けた、さらなる取り組みを含め、中国が大国としての責任を果たしていくよう働きかけていく。今回の日米首脳会談では『日米気候パートナーシップ』を立ち上げることで一致した。日米両国が、国際社会の議論を積極的にリードしていく」と述べました。

立民 白眞勲氏「東京五輪・パラ 直接の言及あったか」

立憲民主党の白眞勲氏は、東京オリンピック・パラリンピックについて「バイデン大統領の口から、開催の可否とか、選手団を送るかどうかについて直接の言及があったのか」とただしました。

これに対し、菅総理大臣は「ことしの夏、世界の団結の象徴として、東京オリンピック・パラリンピックの開催を実現する決意を述べ、バイデン大統領から、この決意に対する支持を改めて表明いただいている。東京大会の成功に向け、アメリカをはじめとする、参加国や地域と緊密に協力していく」と述べました。

茂木外相「気候変動分野などで中国との協力を模索」

茂木外務大臣は衆議院外務委員会で、気候変動対策を進めるためには、中国に大国としての責任を果たしてもらう必要があるとして、アメリカとともに気候変動分野などで、中国との協力を模索していきたいという考えを示しました。

この中で、茂木外務大臣はアメリカの中国への対応について「トランプ政権はアメリカの利益を第一にして、一対一で中国と対じする考え方だったが、バイデン政権は気候変動やコロナ対策では、中国との協力も模索しており、協調の側面を持っている」と述べました。

そのうえで、先の日米首脳会談で共同声明に「中国と協働する必要性」が明記されたことについて「気候変動対策を進め、通商の円滑化を図っていく意味でも、中国に大国としての責任を果たしてもらうよう働きかけが必要だ。そのための対話を行っていくというのが日米共通の思いだ」と述べ、アメリカとともに、気候変動分野などでの中国との協力を模索していきたいという考えを示しました。

一方で、茂木大臣は「日本は中国との間でさまざまな懸案も抱えている。中国との戦略的な対話というものが内外からどう受け止められるかということも慎重に見極めながら、ハイレベルの対話を通じて、ひとつひとつ懸案を解決していきたい」と述べました。