菅首相講演「民主主義や
人権など譲歩せず」

ワシントンを訪れている菅総理大臣は、アメリカのシンクタンクでオンラインで講演し、中国が、東シナ海などで一方的な現状変更の試みを継続していると指摘したうえで、民主主義や人権などの普遍的価値について譲歩する考えがないことを強調しました。

ワシントンを訪れている菅総理大臣は、バイデン大統領と日米首脳会談を行ったあと、アメリカのシンクタンク・CSIS=戦略国際問題研究所が主催するオンライン講演会でスピーチしました。

この中で、菅総理大臣は、インド太平洋地域の情勢について「中国の台頭に伴うパワーバランスの変化や、新型コロナ対応の中で高まった自国中心主義などとも相まって、不確実性が一層増大しているのが現実だ。同時に、地域の安全保障環境は、一層厳しいものになっている」と述べました。

そのうえで、中国について、政治、経済、軍事の面で影響力を急速に高め、東シナ海などで一方的な現状変更の試みを継続していると指摘し「主権に関する事項、民主主義、人権、法の支配などの普遍的価値について、譲歩する考えはない」と強調しました。

そして「中国がじゃっ起するさまざまな懸案については、日本として、主張すべき点はしっかり主張し、中国側の具体的な行動を強く求めていく方針だ。そのうえで、中国との安定的で建設的な関係をしっかりと構築し、アメリカをはじめとする同志国ともよく連携するのが、基本的な考えだ」と述べました。