「国会召集せず違憲」訴訟
憲法判断せず訴え退ける

4年前、森友・加計学園問題を追及するため、4分の1を超える国会議員が臨時国会の召集を要求したにもかかわらず、当時の安倍内閣が3か月余りにわたって召集しなかったことについて、立憲民主党の議員が憲法違反だと訴えた裁判で、東京地方裁判所は、違憲かどうかは判断せず訴えを退けました。

平成29年6月、通常国会が閉会したあと、衆議院の120人、参議院の72人の議員が森友学園や加計学園の問題について審議する必要があるとして、臨時国会の召集を求めたのに対し、当時の安倍内閣は応じず、98日後の9月に召集して、冒頭で衆議院を解散しました。

立憲民主党の小西洋之参議院議員が衆参いずれも4分の1を超える議員が要求したにもかかわらず、召集しなかったのは憲法違反だと訴えたのに対し、国側は「臨時国会の召集は、内閣の政治的な判断に委ねられるべきだ」と主張していました。

24日の判決で東京地方裁判所の鎌野真敬裁判長は「国会議員と内閣との間の権限に関する紛争について、訴えを起こすことを許す法令は見当たらない」として訴えを退け、憲法に違反するかについては判断しませんでした。

判決後の会見で小西議員の代理人を務める伊藤真弁護士は「あえて憲法判断を避け、司法の役割を放棄した判決だ。内閣に対しておとがめすらせず、内閣による独裁国家でいいと裁判所が認めてしまった」と批判し、控訴したことを明らかにしました。

臨時国会要求の経緯

4年前の平成29年2月には、大阪・豊中市の国有地が、大阪の学校法人「森友学園」に8億円余り値引きされて売却された問題が発覚しました。

また、この学校法人が開校を目指していた小学校について、安倍総理大臣の妻の昭恵氏が、名誉校長を務めていたことなどから、大幅な値引きにも影響があったのではないかと、国会で議論が紛糾しました。

安倍総理大臣が国会で「私や妻が関係していれば総理大臣も国会議員も辞める」と言い切ったことで、野党が追及を強めていました。

さらに、この年の1月には国家戦略特区の諮問会議で、愛媛県今治市に岡山県の学校法人「加計学園」が運営する岡山理科大学が、獣医学部を新設することが52年ぶりに認められました。

学園の理事長が安倍総理大臣の長年の友人であったことや、文部科学省から「総理のご意向」などと書かれた内部資料が見つかったことから、野党は選考が加計学園ありきだったのではないかと追及しました。

与党側は国会閉会中の予算委員会の閉会中審査の申し入れに応じず、野党側は真相究明のために国会で審議する必要があるとして、6月22日に憲法53条の規定に基づいて臨時国会の召集を要求しました。

憲法53条は臨時国会について「衆参のいずれかの議員の4分の1以上の要求があれば、内閣は召集を決定しなければならない」と定めています。

安倍内閣が国会を召集したのは3か月余りがたった9月28日で、冒頭で衆議院を解散し、野党側が求めた審議は行われませんでした。

加藤官房長官「事情を勘案し適正判断」

加藤官房長官は午後の記者会見で「判決が言い渡されたばかりなので、詳細を承知しているわけではないが、原告の主張は、いずれも認められず、国の主張が裁判所に認められたものと聞いている」と述べました。

そのうえで「平成29年における臨時国会の召集に関しては、予算編成に向けた作業の期間、北朝鮮情勢が緊迫する中での外交日程など、内閣として、諸般の事情を勘案しつつ、適正に判断したものと承知している」と述べました。