宣言「ギリギリまで見極め
解除可能か判断」首相

3月7日に期限を迎える、首都圏の1都3県での緊急事態宣言について、菅総理大臣は、衆議院予算委員会で、感染者数の1週間単位の推移などをギリギリまで見極めたうえで、解除が可能かどうか判断する考えを示しました。

首都圏の1都3県で続く緊急事態宣言は、3月7日に期限を迎えます。

宣言の解除が可能かどうか判断するタイミングについて、菅総理大臣は、衆議院予算委員会で「宣言を出してから、新規感染者の数がおよそ8割下がっているのも事実だ。ギリギリまで状況を見たいと思っていて、いま『何日に』と申し上げることは控えたい」と述べました。

そのうえで、菅総理大臣は「解除について、私が一存でできる話でもない。諮問委員会の意見を十分に踏まえ、総合的に判断させてもらうし、感染状況や医療提供体制のひっ迫状況などの基準が決められているので、そこがいちばん、大事なことだ」と述べました。

また、1日の千葉県の感染者数が、東京都を上回ったことについて「日々の感染者数は注視しているが、そうしたことに一喜一憂することなく、1週間単位でどのようになっているかを、政府としては考えている」と述べました。

一方、ワクチンの接種で必要な費用をめぐり、菅総理大臣は「自治体で万全の体制が確保できるよう全力で支援していく。いわば、かかった費用は全部、国が責任を持つということだ」と述べました。

また、衆議院の解散・総選挙の時期について、菅総理大臣は「コロナ収束に全力を尽くすのが最優先だ。そういう中で、任期も近づいてくるわけで、そこの段階で考えるのは当然のことではないか」と述べました。

一方、麻生副総理兼財務大臣は、森友学園の問題に関する情報公開請求について、文書が存在しないとして不開示とした件数を問われたのに対し、平成29年3月から平成30年5月までに財務省本省で9件、近畿財務局で37件だったことを明らかにしました。

そのうえで、麻生大臣は「廃棄されずに残った応接録について文書不存在と回答したことは不適切と認定されており、誠に遺憾だ。情報公開法にてらして不適切だったと考えている」と述べました。

委員会では、一般会計の総額が過去最大の106兆円余りとなる、新年度予算案の採決が行われ、自民・公明両党の賛成多数で可決されました。

このあと、衆議院本会議でも可決され、参議院に送られる見通しです。

自民 世耕参院幹事長「解除は慎重に判断を」

自民党の世耕参議院幹事長は、記者会見で「今月7日での解除を心から期待するが、政府は、感染者数だけでなく、病床の状況などについて、専門家の意見をよく聴いて慎重に判断してもらいたい。仮に宣言が再延長になった場合は、支援策を充実していくことが重要だ」と述べました。

立民 福山幹事長「専門家や知事の意見を受け止め判断を」

立憲民主党の福山幹事長は、記者団に対し「もう二度とリバウンドを起こさないように、政府には専門家や1都3県の知事の意見をしっかり受け止め、慎重に判断をしてもらいたい。判断にあたっては、その科学的な根拠と、今後の対策を具体的に、そして詳細に、国民に説明してもらいたい」と述べました。

公明党 山口代表「よく見極めながら最終判断を」

公明党の山口代表は記者会見で「客観的なデータに基づいて、専門家の評価を受ける必要がある。首都圏の1都3県の中には、感染者数がなかなか減らないところもあるので、よく見極めながら、最終判断してもらいたい。予断を持つべきではない」と述べました。

共産 志位委員長「宣言解除はなかなか難しいのでは」

共産党の志位委員長は、記者団に対し「宣言の解除は、なかなか難しいのではないかと思う。今の状況は、かなり感染が下げ止まってしまっていて、これまでの政府の対応では限界に来ている。とりわけ、大規模検査で新型コロナウイルスを封じ込める戦略がないのが、いちばんの問題だ」と述べました。

経済同友会 櫻田代表幹事「解除は慎重に判断すべき」

経済同友会の櫻田代表幹事は2日の定例会見で、今月7日に首都圏の1都3県への緊急事態宣言の期限が控えていることについて、「経済と命の両方を守らなければならない中で難しい判断だ。ただ、日本経済を見ると企業ごとにまだら模様ではあるものの、業績には底打ち感も出てきている」と述べました。

そのうえで、宣言解除のタイミングについて、「慌てて一気かせいに門を開けなくても経済は少しずつ回復していくのではないか。少なくとも、経済が心配なので直ちに門を開けたほうがよいということではない」と述べ、政府は1都3県の知事の意向なども踏まえて、慎重に判断すべきだという考えを示しました。