山田内閣広報官が辞職
総務省接待問題で

総務省の幹部らが衛星放送関連会社に勤める菅総理大臣の長男などから接待を受けていた問題で、山田真貴子内閣広報官は、辞表を提出し、政府は1日の持ち回りの閣議で、これを認めました。

新年度予算案を審議している衆議院予算委員会は、1日、今の国会で4回目となる集中審議が行われ、総務省の幹部らが衛星放送関連会社に勤める菅総理大臣の長男などから接待を受けていた問題を審議するため、山田真貴子内閣広報官も出席する予定でした。

こうした中山田氏は、辞表を提出し、政府は1日朝の持ち回りの閣議で、これを認めました。

これを受けて、自民党の森山国会対策委員長と安住国会対策委員長が、午前8時半すぎから会談し、森山氏は、山田氏が辞任の意向を固めたことを伝えるとともに、山田氏が、28日から入院しているため、1日の委員会には欠席することを説明しました。

これにより、衆議院予算委員会は、予定されていた午前9時からの開会が遅れていて、与野党で協議が行われる見通しです。

加藤官房長官 「山田内閣広報官は体調不良で入院」

加藤官房長官は、衆議院予算委員会の冒頭で「予算委員会に出席予定だった山田真貴子・内閣広報官は、きのう夕方、体調不良により、かかりつけの病院を受診したところ『2週間程度の入院加療を要する』との診断を受け、入院した」と説明しました。

その上で「本人から『職務の遂行を続けることが難しい』と、入院先から杉田官房副長官に辞意が伝えられ、その夜、杉田副長官から菅総理大臣と私に報告があった。菅総理大臣は『やむをえないこと』と判断した。本日付で退職願が提出され、先ほど、持ち回り閣議が終了した。審議にご迷惑をおかけして、大変申し訳ない」と陳謝しました。

安住国会対策委員長「もう少し早く決断をしてもらいたかった」

立憲民主党の安住国会対策委員長は、記者団に対し「体調を壊して入院したということだが、内閣広報官として国民に説明する任にはあらずと思っていた。野党側は早期に辞任したほうが、本人のためにも、内閣のためにも、国民のためにもいいと言っていたので、菅総理大臣がもう少し早く決断をしてもらいたかった」と述べました。

森山国会対策委員長「辞任の意思は非常に固い」

自民党の森山国会対策委員長は、記者団に対し「病気のことを申し上げるのは控えるが、当分の間、入院加療を必要とするという診断書を見た。辞任の意思は非常に固いようだ。予算委員会の開始は少し遅れるが、大事な集中審議なので、できるだけ早く開始できるように努力したい」と述べました。

菅首相 記者団の質問に答えず

菅総理大臣は、午前9時20分ごろ、衆議院予算委員会に出席するため、総理大臣官邸から国会に向かう際、記者団が「山田内閣広報官が辞職したが受け止めを」などと質問しましたが、何も答えませんでした。

野党側 「菅首相の責任は重大だ」

山田内閣広報官の辞任の意向を受けて、立憲民主党、共産党、国民民主党の国会対策委員長らは国会内で会談し、対応を協議しました。

この中で、野党側は「問題発覚後、菅総理大臣が、山田氏を擁護し、いったん続投させたことで国民からの不信を招き、その責任は重大だ」として、今後の審議で責任を追及していく方針で一致しました。