検査機関調査 “精度自体は
良好 精度管理ぜい弱”

新型コロナウイルスの検査の精度について、厚生労働省の委託を受けた研究グループが全国560余りの検査機関を調査したところ、精度自体は良好だったものの、精度を保つ体制の整備が進んでいないことが分かりました。専門家は「精度管理の体制がぜい弱で国を挙げた対策が必要だ」と指摘しています。

この調査は、厚生労働省の委託を受けた東海大学のグループが学会などで作る団体と連携して行ったもので、新型コロナウイルスの行政検査などを行う全国の563の検査機関が参加しました。

調査では、それぞれの検査機関ごとに濃度などを変えた6種類のサンプルを送り、PCR検査などの結果を調べたところ、96.4%から99.8%が正しい検査結果だったということです。

一方で、17の検査機関の合わせて18のサンプルで偽陽性や偽陰性が出たということです。

また、精度管理の体制を調べたところ、282の検査機関で国が作成を求めている「標準手順書」を装置のマニュアルで代用していたほか、114の検査機関では、国の承認がない試薬を使用する際に必要な、感度などを確認する手順が十分に行われていなかったということです。

調査を行った東海大学の宮地勇人教授は「検査結果は良好だったが、精度管理はぜい弱な実態が判明した。調査した機関以外にも自費検査を行う検査機関が増えているので、研修会を行うなど、国を挙げた対策が必要だ」と指摘しています。