【政界の反応は】
河井案里議員に有罪判決

河井案里・参議院議員がおととしの参議院選挙をめぐって、公職選挙法違反の買収の罪に問われた裁判で、東京地方裁判所が有罪判決を言い渡しました。判決に対する政府や与野党の反応です。

菅首相「疑念を抱かれないよう襟を正していくことが大事」

菅総理大臣は、21日午後、総理大臣官邸で記者団に対し「行政の長として、個別事件の裁判所の判断について、所感を申し上げるべきではないことは、当然のことだ」と述べました。

そのうえで「政治家は、1人1人、国民の負託を受けて、国民から疑念を抱かれないように、襟を正して活動していくことが大事だ」と述べました。

一方、参議院選挙の前に自民党本部から河井案里氏側に1億5000万円が振り込まれたことについて、記者団が、自民党総裁として再調査する考えがないか質問したのに対し、菅総理大臣は「総裁になって報告を受けている。党で所定の手続きをえた上で、ルールに基づいて交付されている。そういうことだった」と述べました。

官房副長官「政治家の出処進退 みずからの責任で決めること」

岡田官房副長官は、記者会見で「個別の事件における裁判所の判断について、政府として所感を述べることは三権分立の原則からしても差し控えたいが、一般論としては、政治家はその責任を自覚して、国民に疑念を持たれないように常に襟を正すべきものと考えている」と述べました。

そのうえで、記者団が「議員辞職すべきだという声もあるが、どう考えるか」と質問したのに対し「政治家の出処進退は、みずからの責任でお決めになることだろうと思う」と述べました。

自民 二階氏「国民の信頼回復に努めていく」

自民党の二階幹事長は「判決が確定していない中でのコメントは差し控えたい。党としては、常に襟を正し、引き続き緊張感を持って、国民の信頼回復に努めていく」とするコメントを出しました。

自民 岸田氏「広島の関係者として大変遺憾 身の処し方は自分で」

広島県選出の自民党の岸田・前政務調査会長は国会内で記者団に対し「大変厳しい判決であり、自民党に所属し、広島に関わる人間として大変遺憾だ。有権者から選ばれた身であるものの、これまで国民に対して説明していない。政治の信頼のためにも、しっかりと説明した上で、どう身を処すか自分で考えてもらいたい」と述べました。

立民 福山氏「控訴せず一刻も早く議員辞職すべきだ」

立憲民主党の福山幹事長は、記者団に対し「控訴などせず、一刻も早く議員辞職すべきだ。新型コロナウイルスの感染拡大で、国民が非常に厳しい状況に陥っているなか、議員の歳費を受け取り続けることは到底、国民の理解が得られない。菅総理大臣は、官房長官時代に案里氏の選挙応援に入っている映像もあるので、予算委員会などの場で説明を強く求めていきたい」と述べました。

公明 石井氏「1つのけじめとして議員辞職すべきではないか」

公明党の石井幹事長は、国会内で記者団に対し「大きな政治不信を招いており、有罪判決を1つのけじめとして議員辞職すべきではないか。自民党を離党したとはいえ、与党としても非常に重く受け止めなければならず、改めて襟を正して政治不信の払拭に努めていかなければならない。政権運営に与える影響がないとは言えない」と述べました。

維新 馬場氏「国会活動せず報酬など受け取るのは言語道断」

日本維新の会の馬場幹事長は記者会見で「有罪判決を受けた案里氏は、国会活動をしていない状態で、報酬やボーナスを満額で受け取っている。コロナ禍で非常に苦しんでいる国民の目からみれば言語道断のことで、早期に辞職していただきたい」と述べました。

共産 志位氏「当然 議員辞職すべきだ」

共産党の志位委員長は、記者会見で「案里氏は、当然、議員辞職すべきだ。また、案里氏を支援した自民党の責任も厳しく問われると言っておきたい」と述べました。

国民 玉木氏「即刻 議員辞職すべきだ」

国民民主党の玉木代表は、記者団に対し「金(かね)で票を買ったと認定されたことは極めて重大で、即刻、議員辞職すべきだ。また、案里氏を支援していた自民党も、しっかり説明しなければいけないのではないか」と述べました。