河井元法相裁判 現金受領の
県議2人“投票依頼目的と”

公職選挙法違反の罪に問われている河井克行元法務大臣の裁判で、広島県議会議員2人が元大臣から当選祝いの名目で現金を受け取ったものの、案里議員への投票を依頼する目的だと思ったと証言しました。

元法務大臣の河井克行被告(57)は、妻の案里被告(47)が初当選したおととしの参議院選挙をめぐって、公職選挙法違反の買収の罪に問われ、無罪を主張しています。

証人として呼ばれた広島県議会議員の沖井純議員は、おととし4月、県議会議員選挙で無投票当選が決まった後、事務所を訪ねてきた元大臣から現金50万円が入った封筒を受け取ったことを認めました。

現金の趣旨について、沖井議員は、元大臣から「お祝いです」と言われたとしたうえで「これまで当選祝いを持ってきたことのない元大臣が案里議員の立候補表明直後に来たのは、投票を依頼する買収目的以外考えられず、お祝いは単なる名目だと思った」と証言しました。

沖井議員は、5日後に元大臣の事務所に封筒のまま返したということです。

続いて証人として出廷した広島県議会の窪田泰久議員も、無投票で当選した直後のおととし4月にみずからの後援会事務所で元大臣から「おめでとう」と言われ、現金30万円を受け取ったと述べました。

窪田議員も初めて渡されたため、投票依頼だと思ったと証言しました。

およそ2か月後に元大臣の事務所に返金したということで、窪田議員は現金を受け取ったことについて「後悔している」と小さな声で述べました。