慰安婦問題 賠償判決で外相
「最も有効な措置を決める」

慰安婦問題をめぐり、韓国の裁判所が日本政府に賠償を命じる判決を出したことについて、茂木外務大臣は記者会見で「到底考えられない異常な事態だ」と批判し、韓国政府に適切な対応をとるよう働きかけながら、最も有効な措置を検討していく考えを示しました。

この中で茂木外務大臣は、今回の判決について「国際法上も2国間関係上も到底考えられない異常な事態が発生し、極めて遺憾に捉えている。国際法違反という状況を起こしているのは韓国であり、韓国の側で適切な措置を早急に講じることが重要だ」と述べました。

そのうえで、「あらゆる選択肢を視野に入れてきぜんと対応していく。韓国から前向きな対応を引き出していかなければならず、外交上のやりとりも続ける中で、どういった措置が最も有効なのか決めていきたい」と述べました。

官房長官「与党の意見も踏まえながら適切に対応」

加藤官房長官は、午後の記者会見で「国際法上の主権免除の原則から日本政府が韓国の裁判権に服することは認められず、訴訟は却下されなければならないという立場は、累次表明してきた。韓国が国際法違反を是正するため、適切な措置を早急に講じていくことを強く求めており、あらゆる選択肢を視野に入れてきぜんと対応したい」と述べました。

その上で「具体的にどう対応していくかは差し控えるが、自民党の外交部会における議論など、さまざまな意見があることを承知しており、与党の意見も踏まえながら、適切な対応を図っていきたい」と述べました。

日韓局長級協議 日本側 是正へ適切措置求める

慰安婦問題をめぐり、韓国の裁判所が日本政府に賠償を命じる判決を出したことを受けて外務省の船越アジア大洋州局長は15日、韓国外務省のキム・ジョンハンアジア太平洋局長とおよそ1時間半にわたり、テレビ会議形式で協議を行いました。

この中で船越局長は、今回の判決は明確に国際法違反であり、是正のための適切な措置を取るよう求めたのに対し、キム局長は、韓国側の立場を説明し、両局長は、引き続き意思疎通を継続していくことを確認しました。

また「徴用」をめぐる問題で、船越局長は「日本企業の資産を差し押さえて売却する『現金化』が行われれば、両国関係に極めて深刻な状況を招き、絶対に避けなければならない」と指摘し、受け入れ可能な解決策を示すよう重ねて求めました。