“1人でも患者受け入れを”
神奈川県が病院に協力要請

新型コロナウイルスの急速な感染拡大で、病床がひっ迫していることから、神奈川県は今後、感染が確認された患者を受け入れていない病院で、入院中や外来の患者の感染が新たに分かった場合は原則として、その病院で治療を行うよう要請しました。

神奈川県によりますと、現在、県内におよそ350ある病院のうち、新型コロナウイルスに感染した患者を受け入れているのは100余りで、およそ3分の2の病院は受け入れていません。

一方、13日の時点で、すぐに使える病床の使用率は89%に上っているほか、自宅などで、入院を待っている人は69人となっています。

こうした中で神奈川県は13日、患者を受け入れていない病院に対し、入院中の患者や外来に来た患者に新たに新型コロナウイルスへの感染が分かった場合、今後は、原則として、その病院で治療を行うよう要請しました。

さらに可能な場合は、新たな患者の受け入れも検討してほしいと要請しています。

神奈川県「1人でも2人でも受け入れる病院が増えれば」

神奈川県医療危機対策統括官の阿南英明医師は「すでに新型コロナの患者を受け入れている病院でこれ以上病床を増やすことは難しく、受け入れ施設の数を増やす必要がある。1人でも2人でも受け入れる病院が増えれば、全体として大きな数になるので協力を呼びかけたい」と話していました。

横浜 “搬送困難” 急増 5時間要した例も

横浜市消防局によりますと、患者の搬送先が決まるまでに病院への照会が4回以上あったケースなど「搬送が困難な事例」は、1月10日までの1週間で186件に上り、前の年の同じ時期の2.2倍に増えました。

消防局では新型コロナウイルスの感染拡大で医療機関の病床がひっ迫していることなどが背景にあると見ています。

新型コロナウイルスへの感染のほかに、別の持病もあった人の搬送先を見つけるまでに5時間かかり、途中で救急隊を交代させた異例のケースもあったということです。

横浜市消防局救急課の長谷部宏光担当課長は「感染者の増加とともに搬送が困難な事案が増え、影響を及ぼしています。ただ、そうした事例は全体の5%程度で、ほとんどはきちんと対応できているので、要請の一件一件にしっかり応えられるよう全力を尽くしていきたい」と話していました。

神奈川 新型コロナ 985人感染確認 過去2番の多さ

神奈川県内では14日、これまでで2番目に多い合わせて985人が、新型コロナウイルスに感染したことが確認されたと発表されました。

県内で発表される1日当たりの感染者数が、900人を超えるのは3回目で、県内最多となった今月9日の995人に次いで、2番目に多い数となりました。

一方、県と横浜市、それに川崎市が80代から90代までの女性、合わせて4人の死亡を発表しました。

また、県は12日、発表した40代の女性について、ほかの自治体が発表した人と重複していたとして、12日の県発表の感染者数を訂正して、1人減らしました。

NHKのまとめでは、県内で発表された感染者は、これで3万人を超えて3万690人となり、このうち340人が死亡しています。