河井元法相裁判 現金受領の
市議が買収目的を否定

公職選挙法違反の罪に問われている、河井克行元法務大臣の裁判で証人として出廷した広島市議会議員が元大臣から受け取った現金について「当選祝いだと思った」と述べ、検察が主張する買収にはあたらないと証言しました。

元法務大臣の河井克行被告(57)は、妻の案里被告(47)が初当選した、おととしの参議院選挙をめぐって公職選挙法違反の買収の罪に問われ無罪を主張しています。

12日の裁判に証人として出廷した広島県議会の宮本新八議員は、克行元大臣からおととし3月と5月に合わせて50万円を受け取ったことを認め「大変なんですよ。応援してください、助けてください」と言われて机の下で封筒を渡されたと証言しました。

そのうえで「選挙の陣中見舞いだと思って受け取ったが封筒の厚さから違うと思った。案里議員の選挙を手伝ってほしいという趣旨だと思った」と述べ買収目的の金だと認めました。

一方、午後に出廷した広島市議会の石橋竜史議員は、検察の事情聴取での供述と違う証言をして、買収にはあたらないと述べました。

石橋議員はおととし5月に克行元大臣から30万円を受け取ったと認めたうえで「『当選おめでとう、これを取っておきなさい。2人だけの秘密だからね』と言われ、内ポケットにねじこまれ、当選祝いだと思った。それまでも年に2回ほど、季節のあいさつということでお金をもらっていた」と証言し買収目的を否定しました。

これに対し検察官は、石橋議員が事情聴取で買収目的を認めた供述内容を読み上げ「どちらが正しいのか」と問いただしましたが、石橋議員は法廷での証言が正しいとして、検察官の主張に沿った証言はしませんでした。