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緊急事態宣言 検討を要請

首都圏で新型コロナウイルスの感染が拡大していることをうけて、東京都の小池知事と埼玉県、千葉県、神奈川県の1都3県の知事は西村経済再生担当大臣と面会し、緊急事態宣言の発出を速やかに検討するよう要請しました。

東京都の小池知事と埼玉県の大野知事、千葉県の森田知事、それに神奈川県の黒岩知事は、2日午後、永田町の合同庁舎を訪れ、3時間余りにわたって西村経済再生担当大臣と面会しました。

このなかで1都3県の知事は、首都圏で新型コロナウイルスの感染が拡大していることをうけて、政府が緊急事態宣言の発出を速やかに検討するよう要請しました。

検討にあたっては、社会生活の混乱を避けるため一定の周知期間を設けるとともに、宣言のもとでの具体的な措置について自治体と協議することを求めています。

1都3県のうち東京都内では、12月31日に感染の確認が初めて1000人を超えるなど、先月から急速に広がる感染拡大に歯止めがかからない状況で、入院患者は2日も過去最多となり、医療提供体制のさらなるひっ迫も懸念されています。

1都3県は、飲食店に対する営業時間の短縮要請や不要不急の外出の自粛などを呼びかけてきましたが、法律に基づく緊急事態宣言を政府が出すことで人の流れをさらに止めるなどして感染の拡大を一刻も早く抑えたい考えです。

西村経済再生相「宣言発出が視野に入る厳しい状況」

西村経済再生担当大臣は、東京都の小池知事らと面会したあと、記者団に対し「首都圏の現下の感染状況は、緊急事態宣言の発出が視野に入る厳しい状況という認識を共有した。あらゆる事態を想定し、緊密に連携して対応していくことで一致した。4人の知事から検討を要望された緊急事態宣言の発出については国として受け止めて検討していく」と述べました。

そのうえで「宣言を発出するかどうかは、専門家の意見も聞かないといけない。できるだけ早いタイミングで分科会を開かなければいけないと思っているが、検査件数や陽性者数、人の流れのデータなども踏まえて専門家の皆さんに判断をいただかないといけない」と述べました。

一方、西村大臣は、小池知事らに対し、飲食店の閉店時間を午後8時までとし、酒類の提供は午後7時までとするほか、午後8時以降の不要不急の外出自粛を要請するよう求めたことを明らかにし、要請に応じた飲食店への支援を拡充する考えを示しました。

さらに、企業でのテレワークの徹底や、職場や、学校の寮などでの感染防止策の徹底、イベントの開催要件を厳格化することも、合わせて要請したことを明らかにしました。

小池知事「直ちに人流の抑制を図る必要がある」

東京都の小池知事は、西村経済再生担当大臣と面会したあと、記者団に対し「緊急事態宣言の発出を速やかに検討されることを要望した。酒の提供を伴う飲食店などに対しての営業時間の短縮や不要不急の外出自粛の要請などを行ってきて、一定程度の抑制効果が見られるものの、1都3県における陽性者の数や医療提供体制の現況を踏まえると、ここで直ちに徹底した人流の抑制を図る必要があると判断して要請をするものだ」と述べました。

そのうえで「首都圏一体となって国へ要望し、危機感を共有できた。そのことが都民、県民、国民にメッセージとして伝わり、『ここで防がなければダメだ』という意識を改めて持ってもらい、4月のころを思い出しながら協力をお願いしたい」と呼びかけました。

一方、西村大臣が、飲食店の営業時間を午後8時まで、酒の提供を午後7時までとするほか、午後8時以降の不要不急の外出自粛を都や県が要請するよう求めたことについて、小池知事は「国からの要望をしっかりと受け止めながら効果のある方法を模索していく必要があるが、問題は、実際にどれだけ守って協力いただけるかどうかということだ。効果のある方法を国と連携しながら進めていくことが最大のポイントだ」と述べました。

大野知事「年末年始を待ってくれない」

埼玉県の大野知事は、記者団に対し「極めて異例な年始の要請行動でしたけれど、残念ながら新型コロナウイルス感染症は年末年始を待ってくれない。1都3県が協調して国ともすり合わせ、詳細についてはこれから調整に入らせていただく」と述べました。

森田知事「認識の共有が必要」

千葉県の森田知事は記者団に対し、「認識を共有し一致団結することが今、いちばん必要なことだと思います。今後の対応については各論を詰めないといけないところも出てくるが、いろいろな話が出て大変有意義だった」と述べました。

黒岩知事「国と強い危機感を共有」

神奈川県の黒岩知事は、記者団に対し「3時間を超える議論が行われ、国と自治体が強い危機感を共有することができた。議論の中で国から、緊急事態宣言の発出を視野に入れるという1つの方向性が示されてよかった」と述べました。

一方、国から1都3県に対して、飲食店やカラオケ店などの営業時間を午後8時までにする要請を出すことなどを求められたことについて神奈川県内では午後10時までの時短要請を行っていることに触れ「実際に見回ってみると、2割ぐらいの店舗にしか応じてもらえず、今後、午後8時までの時短ということにして飲食店に聞いてもらえるのか、大変大きな不安があった」としたうえで「『ある程度の財政的支援も必要だ』と申し上げたところ国としても理解していただいた」などと述べました。