川辺川ダム建設で市民団体が
反対の抗議文を県に提出

ことし7月の豪雨で氾濫した熊本県の球磨川流域の今後の治水対策をめぐり建設の是非が焦点になっている川辺川ダムについて、市民団体が建設に反対する抗議文を熊本県に提出しました。

球磨川の治水対策をめぐり、熊本県の蒲島知事はかつてみずから白紙撤回した、支流の川辺川でのダム建設を進める前提で調整を進めていて、今月19日にも具体的な方向性を表明する方針です。

これに対し13日、「川辺川を守る県民の会」など3つの市民団体が県庁を訪れ担当者に抗議文を提出しました。

抗議文では、川辺川ダムについて「大雨の時以外は水をためないタイプのダムであっても川への悪影響は避けられない。清流なくして流域の復興はあり得ず、衰退は必定だ」として、ダム建設に強く反対しています。

会のメンバーは「ダムがあれば浸水範囲を6割減少できた」とする国の検証結果について触れたうえで、県の担当者に対し「ダムがあれば、今回亡くなった人たちをどう救えたのかといった具体的な話が全くない。そもそもどう亡くなったのかという検証すらない」と指摘しました。

そのうえで「ダムのメリットばかり強調し、デメリットを何も言わないのは不公平だ。住民の意見を十分に聞けていないなかでの判断は時期尚早だ」などと県の姿勢を批判しました。