らかにセクハラとされる
行為の覚えない」狛江市長

東京 狛江市の高橋都彦市長は市の調査で、女性職員2人に対するセクハラ行為があったとされたことを受けて、21日午後会見を開き、セクハラ行為について改めて否定しました。

狛江市の高橋市長は、複数の女性職員の体を触るなどした疑いがあると議会で追及され、21日午前、水野穰副市長らが会見を開き、2人の女性職員に対して腰に手を回したり、車の中で手を触ったりするなどのセクハラ行為があったと明らかにしました。

これを受けて、高橋市長は21日午後、市役所で記者会見を開き、「明らかにセクハラとされる行為をした覚えはない」と述べ、セクハラ行為について改めて否定しました。

また、高橋市長は「懇親会などで何らかの身体的な接触があったかもしれないが、意識してやったつもりはない。行き違いがあったと思うので、被害者が名乗り出てくれれば率直に謝りたい。出処進退については今のところ白紙状態だ」と述べました。

さらに、市の調査結果については、「納得できないことが含まれている。本来の調査目的から外れて辞任の要求を迫る調査内容になってしまった。調査結果の公表は唐突で、副市長と私の意思疎通をもう少し見直す必要がある」と述べました。

そのうえで、高橋市長は「市政を混乱させた原因は私にあるので、信頼回復に向けて努めていきたい」と述べました。

副市長「非常に残念」

狛江市の高橋市長の記者会見の内容について、水野穰副市長は「調査の過程でこうしたセクハラ行為が明らかになった以上、私は黙るわけにはいかないので報告させていただいた。調査の手法について疑問を呈されたのは非常に残念に思っている」と述べました。

そのうえで、水野副市長は「職員は涙ながらに訴えてくれたので、私はそれが真実であると信じています」と述べました。

高橋市長は元都職員 6年前に初当選

狛江市の高橋都彦市長は、66歳。東京都の職員として観光部長や産業労働局の理事などをつとめたあと平成24年の市長選挙で初当選しおととし(28年)の選挙で、2回目の当選を果たしていました。
市長 職員から届いたとする文書を明らかに
狛江市の高橋市長は記者会見で、市の調査で聴取を受けた職員から届いたとする文書の存在を明らかにしました。

この文書は、今月14日、高橋市長宛てに出されていて、差出人などの一部が黒く塗りつぶされています。

この中では、「私はハラスメントを受けてなく、相談していないにもかかわらず、副市長は聴取の時に『尻を触られたと言ったよね』と言いました。副市長の発言は、私を被害者にしたい、被害者でなければならない理由が何かあるのではないかと感じざるをえません」としています。

そして、「複数回虚偽の発言を強要され、大きな精神的苦痛を受けた。パワハラであると考えています」として、水野穰副市長に発言の撤回と謝罪を求めています。

臨時庁議でのやり取り公開

狛江市では今月18日に開かれた幹部による臨時の庁議で、副市長らが関係職員を対象にした調査で、高橋市長によるセクハラ行為が確認されたなどとする報告が行われていて、21日に議事録や音声が公開されました。

それによりますと、庁議で水野穰副市長は問題の発端となったセクハラ行為に関する内部文書について、文書を作成した職員とその職員にセクハラ行為を報告した職員に対して聞き取りを行ったとしたうえで「報告者は自身も被害者であり、うそを話すとは思えない。文書については事実であるということを確認したところだ」と述べています。

また、「調査を行った結論として、市長がセクハラ行為を行っていたことが確認できたところだ。市長は立場を利用して卑劣な行為を行ったにもかかわらず、身に覚えがないと言い逃れ、文書の作成者に対するペナルティに言及するなど、職員、市政に及ぼした影響は計り知れない。ペナルティを科すとされた職員の心はどれだけ不安にさいなまれたか、怖くて市長室に行けない女性職員もいる」と批判しました。

さらに、別の幹部職員は「私は2年前、『市民の中で市長のセクハラがうわさになっていますので気をつけてください』と申し上げ、その時は『気をつける』とおっしゃった。しかし、残念ながら市長のセクハラ行為はやみませんでした。ご自身で進退をお考えいただくよう、提言を申し上げます」と指摘しました。

これに対し、高橋市長は「大変厳しい意見をいただいた」などと述べ、自身の進退については言及しませんでした。

狛江市民の反応は

狛江市の高橋市長が女性職員に対するセクハラ行為の疑いを否定したことについて、市民からは市長を擁護する声がある一方で、辞任を求める声も上がりました。

狛江市の75歳の女性は「市長はこれまでの市政でできなかったことにも取り組んでくれて、とてもいい人という印象を持っています。セクハラをするとは思えないので、一部の人が起こした今回の騒動に怒っています」と話していました。

一方、82歳の男性は「いくら市長が否定をしても、『セクハラをされた』と訴える人がいるなら、セクハラ行為はあったのだと思います。早く認めて辞任するべき」と話していました。

このほか、43歳の女性は市長と副市長の主張が対立していることを踏まえ、「市のイベントへの影響がないか心配です」などと市政の混乱への影響を懸念していました。さらに、0歳と5歳の子どもがいる39歳の女性からは「小さい子どももいるので、もしセクハラが事実であるなら辞任するべきだと思いますが、まずはセクハラがあったのかなかったのか、市民にわかる形で説明してほしい」と話していました。