河野沖縄北方相 北方領土の
元島民らと意見交換

河野沖縄・北方担当大臣は、北海道中標津町を訪れ、北方領土の元島民らと意見を交わし、外務大臣としてロシアとの平和条約交渉に臨んだ経験も踏まえ、領土問題の解決に向けた環境整備に努める考えを示しました。

河野沖縄・北方担当大臣は、就任後初めて北海道を訪れ、中標津町役場で北方領土の元島民らと意見を交わしました。

この中で、河野大臣は「北方領土の問題は、祖父の河野一郎元農林水産大臣が交渉をやったこともあるし、私も外務大臣としてロシア側と交渉してきた。今度は別の角度から取り組むことになったが、皆様のご意見をしっかり受け止めながらやっていきたい」と述べました。

これに対し、元島民などで作る「千島歯舞諸島居住者連盟」の脇紀美夫理事長は「就任早々、意見交換の場を設けていただいた。きょうは後継者も参加しているので、思いを聞いていただたい」と述べたうえで、元島民による墓参や自由訪問といった交流事業の円滑な実施や、若い世代による啓発活動への支援などを要望しました。

「若い世代にもSNSで」

河野沖縄・北方担当大臣は、根室市の納沙布岬から、およそ4キロ沖合にある歯舞群島の貝殻島を視察したほか、近くにある北方領土に関する資料館で、担当者から領土問題の歴史などについて説明を受けました。

このあと河野大臣は、記者団に対し、「北方領土問題に詳しくない若い世代が増えてきている。SNSなど新しいメディアも発達してきているので、いろんなことができるのではないか」と述べ、若い世代にも領土問題に関心を持ってもらうため、SNSを活用した啓発活動を強化していく考えを示しました。

また河野大臣は、新型コロナウイルスの感染拡大で、元島民らが北方領土を訪問する今年度の「ビザなし交流」などが中止になったことから、今後の状況に応じて速やかに再開できるよう準備を進めていく考えを示しました。