ミサイル防衛装備の洋上配備
「合理的でない」米側が指摘

「イージス・アショア」に代わるミサイル防衛のための新たな装備について、防衛省はイージス・アショアのために製造中のものを改修し、洋上に配備する方向で検討していますが、改修作業を行うアメリカ側から「コストが膨大になるため、合理的ではない」という趣旨の指摘を受けていたことが、関係者への取材で分かりました。

イージス・アショアの配備断念に伴う代替策について、防衛省は、レーダーなど、イージス・アショアのために製造中のシステムを改修して、洋上に配備する方向で検討しています。

具体策が決まっていないため、来年度予算案の概算要求には金額は明示しない方針ですが、艦艇の建造など、多額の費用が必要になることが懸念されています。

この洋上配備の方針について、防衛省が実際の改修作業を行う製造元のアメリカ側に説明したところ、技術的には可能なものの、システムの大規模な改修が必要になり、「コストが膨大になるため、合理的ではない」という趣旨の指摘を受けていたことが政府関係者への取材で分かりました。

イージス・アショアのシステムは陸上配備を前提に設計されているため、波の影響に耐えられるよう設計を大幅に見直すといった対応が必要になることを念頭に置いた指摘とみられます。

ただ、防衛省は、イージス・アショアの配備断念の経緯を踏まえ、陸上への配備に地元の理解を得るのは極めて困難だとしていて、今後の代替策の検討をめぐっては費用面が大きな論点になる見通しです。