井議員秘書 公示前活動
「違法性認識あった」

河井克行前法務大臣と妻の案里議員の裁判で、案里議員の公設秘書は選挙の公示前の活動について違法性の認識があったと証言しました。一方、4日の法廷では河井前大臣が不規則発言を陳謝する場面もありました。

前の法務大臣の河井克行被告(57)と妻で参議院議員の案里被告(46)は、去年の参議院選挙をめぐって公職選挙法違反の買収の罪に問われ、いずれも無罪を主張しています。

東京地方裁判所で開かれた6回目の裁判では、3日に続いて案里議員の公設第1秘書が証人に呼ばれ、弁護側の反対尋問が行われました。

前大臣の弁護士は、現金の提供は法的に許された政治活動で、選挙運動ではないと主張していて、証人尋問では公示前の活動に対する認識を尋ねました。

公設第1秘書は「はがきやポスター、自民党の機関紙など、これまでにないほど大量の配布物を持って支援をお願いして回った。本来なら法に触れる活動ではないが、これまでにない量なので、集票のためだと思っていた」と証言したうえで、違法性の認識について「心の中ではあった」と述べました。

河井前法相 不規則発言で陳謝

また、証人尋問の中で秘書が答えに困った様子でしきりに検察官の方を向いた場面があり、河井前大臣が「アイコンタクトをとるな」と発言しました。

これを受けて、裁判長が秘書に対し、「記憶にあることをありのままに話して下さい」と注意した一方、前大臣は検察官から不規則発言をやめるよう求められると、「十分気をつけます。大変失礼いたしました」と陳謝しました。

次の裁判は今月9日で、案里議員の陣営の会計担当の証人尋問が行われる予定です。