犯罪の被害者保護
起訴状 匿名可能を検討へ

法務省は性犯罪の被害者の保護のために、起訴状などに記載する被害者の氏名を匿名にすることを可能にする方向で法改正を検討することになりました。

これは、森法務大臣が閣議のあとの記者会見で明らかにしました。

それによりますと、性犯罪の被害者の保護をめぐり被害者の氏名が記載された起訴状が被告側に送付されることで、被告に氏名を知られた被害者がさらに被害を受けるケースなどがあるということです。

そのため法務省は専門家らによる検討会で、性犯罪の刑法の要件などを議論してきましたが、起訴状や逮捕状などに記載する被害者の氏名の在り方については早急に対応する必要があるとして、法改正を検討することになりました。

法務省は被害者保護の観点から、性犯罪以外の犯罪も起訴状などに記載する被害者の氏名を匿名にすることを可能にする方向で検討し今後、法制審議会への諮問を目指すことにしています。

一方、検討会では性犯罪の暴行や脅迫の刑法の要件をなくすかや時効を撤廃すべきかなどの論点については議論を続けるということです。

森大臣は記者会見で、「被害者の氏名の取り扱いはほかの論点との関連性が低く、独立して検討を進めることができる。検討会でも被害者の氏名を一定の場合に被告に秘匿する方向性にはほぼ異論がないように思う」と述べました。