倍首相 辞任の意向
各国や地域の反応

安倍総理大臣が辞任の意向を固めたことについて各国や地域の反応です。

米政府高官「傑出した指導力を発揮 感謝したい」

アメリカ政府は「傑出した指導力を発揮したことに感謝したい」とするコメントを発表しました。

アメリカのトランプ政権の高官は28日、NHKの取材に対して、コメントを発表し、「われわれは、安倍総理大臣が日本で連続の在任期間が最も長い総理大臣として、傑出した指導力を発揮したことに感謝したい。安倍総理大臣はトランプ大統領とともに日米同盟と両国の関係をかつてなく強固にした。安倍総理大臣の自由で開かれたインド太平洋のビジョンは、トランプ大統領のビジョンと緊密に連携、協力し、2つの偉大な国がそれを大きく前進させた」と高く評価しました。

そのうえで、この高官は「アメリカは後任の総理大臣と協力し、日米関係を強化し、日米が共有する目標を進展させることを楽しみにしている」として、引き続き、日米関係の強化に取り組む方針を示しました。

米 主要メディアが速報

アメリカの主要メディアは日本国内の報道を引用しながら速報で伝え、有力紙ニューヨーク・タイムズは「連続の在任期間が歴代最長を更新したわずか4日後に、体調不良のため辞任することが報じられた」などと伝えています。

トランプ大統領は大統領就任前から安倍総理大臣と会談を重ね、趣味のゴルフなども通じて個人的な信頼関係を築き、アメリカでは両首脳の関係は各国の指導者のなかでも最も良好だと評価されていました。

また、アメリカ政府は日本をアジアで最も重要な同盟国と位置づけ、中国と激しく対立するなか、日米の連携をより重視しています。

トランプ大統領はアジアの安全保障の問題で安倍総理大臣の意見に耳を傾けてきたと言われており、安倍総理大臣の辞任はトランプ政権のアジア外交にも一定の影響を与えるとみられます。

それだけにアメリカ政府としても重大な関心を持って安倍総理大臣の辞任後の日本の政治の動向に関する情報の収集にあたると見られます。

中国外務省 「両国関係が改善・発展に向けて進むことを望む」

安倍総理大臣が、総理大臣を辞任する意向を表明したことについて、中国外務省の趙立堅報道官は28日の記者会見で、「関連する報道について注視しているが、日本の国内問題であり、論評しない。両国は互いに隣り合っていて両国関係が引き続き改善・発展に向けて進むことを望んでいる」と述べました。

韓国大統領府「両国関係発展の役割を果たしてきた」

韓国大統領府は声明を発表しました。

この中で「在任期間が最も長い総理大臣として、さまざまな意味のある成果を残し、特に長い間、両国の関係の発展のために多くの役割を果たしてきた安倍総理大臣の突然の辞任の発表を残念に思う。体調が早く回復することを願っている」としています。

そのうえで「韓国政府は、新しく選ばれる日本の総理大臣や新しい内閣と、両国の友好協力関係の発展のために、引き続き協力していく」としています。

また、ムン・ジェイン(文在寅)政権を支える革新系の与党「共に民主党」は、「新しい日本政府と、新しい歴史を作っていかなければならない。両国の協力は、東アジアの安全保障や経済などの国際関係において必ず必要だ」と指摘しました。

そして「両国間の対話が持続的に行わなければならない。日本政府のより前向きで責任のある姿勢を期待する」としています。

一方、保守系の最大野党「未来統合党」は、「安倍総理大臣の在任期間中、両国の関係は、いつになく容易ではなかった。新しい総理大臣には、両国の関係により前向きな視線で臨むことを期待する」としています。

台湾 蔡英文総統「台湾に友好的だった」

安倍総理大臣が辞任する意向を表明したことについて、台湾の蔡英文総統は台北市内で開かれた記者会見で「安倍総理大臣はこれまでずっと台湾に友好的だった。政策のうえでも、台湾の人々との交流においても、安倍総理大臣は非常に積極的に取り組んでくれた。安倍総理大臣の台湾への友情をわれわれはとても大切にしていて、健康を願っている」と述べました。

蔡総統は就任以降、ツイッター上で日本での地震や豪雨災害などを見舞う日本語のメッセージをたびたび投稿し、安倍総理大臣はこれに応じる形で台湾へのメッセージを寄せていました。

また総統府の報道官も28日、コメントを発表し、蔡総統が安倍総理大臣の長年の台湾への支持に感謝しているとしたうえで「日本は重要なパートナーで、日本とともに引き続き友好関係を深めて、さまざまな分野での協力を推し進めていく」と述べています。

仏 マクロン大統領「悲しく思う 回復を祈りたい」

フランスのマクロン大統領は28日、一部のメディア向けのブリーフィングで、「健康を理由に辞任することを悲しく思う。通常の生活に戻ることができるよう、回復を祈りたい」と述べました。

また、去年、フランスと日本がそれぞれ、G7とG20の議長国となり、連携を深めたことに触れ、「彼はわれわれにとって多くの課題でパートナーであり重要な役割を担っていた」と振り返りました。

そのうえで、「経済と社会の刷新、特に女性の地位の向上に尽力した。それはアベノミクスの核心だと考えている」と述べ、安倍総理大臣の業績をたたえました。

独 メルケル首相「辞任を残念に思う」

安倍総理大臣が辞任する意向を表明したことについて、ドイツのメルケル首相は28日、記者会見で「まだ安倍総理大臣と話すことはできていないが、辞任を残念に思う。健康を願っている」と述べました。

そのうえで、新型コロナウイルスの感染が広がる中、安倍総理大臣とはテレビ会談を行うなど、常に緊密に協力することができたとして「安倍総理大臣のもと、ドイツと日本の関係は非常によく発展したと思う」と振り返りました。

さらに「安倍総理大臣は、いつも多国間で協調しようと力を尽くし、日本とドイツの遠く離れた距離を越えて、私たちの共通の価値基盤を重視してきた」として、これまでの協力関係に感謝の意を示しました。

英 ジョンソン首相「両国の関係 強力になった」

安倍総理大臣が辞任を表明したことを受けて、イギリスのジョンソン首相は28日、ツイッターに、「安倍総理大臣は、日本、そして世界のためにすばらしい実績を残した。安倍政権のもとで、貿易や防衛、そして文化面においてイギリスと日本の関係はますます強力になった。安倍総理大臣の長年の貢献に感謝し健康を願っている」と投稿しました。

EU「多国間の協力関係の柱に」

EU=ヨーロッパ連合のミシェル大統領は28日、ツイッターに「安倍総理大臣のリーダーシップのもとでEUと日本が緊密で強固な協力関係を築けたことに感謝したい」と投稿しました。

そして「あなたはこんにちの多国間の協力関係において日本が柱の1つとなるよう努めた。友よ、あなたの健康を祈るとともに近く再会できることを願っています」とねぎらいました。

ロシア大統領府 報道官「非常に残念だ」

安倍総理大臣が辞任する意向を表明したことについて、ロシア大統領府のペスコフ報道官は、28日、メディアに対して「非常に残念だ」としたうえで「後継者が両国関係をさらに発展させる道を歩むことを期待する」と述べました。

安倍総理大臣はロシアとの間で経済や医療など幅広い分野での協力関係を進めてきたことから、プーチン政権としては、次の総理大臣もロシアとの関係を重視することに期待を示した形です。

インド モディ首相「両国関係は深く強くなった」

インドのモディ首相は、安倍総理大臣の辞意表明についてツイッターに「親愛なる友人が健康を害していると聞き心を痛めている」と投稿しました。

そのうえで、「あなたの賢明なリーダーシップと個人的な関与によりインドと日本の関係はこれまで以上に深く強くなった。一日も早い回復を祈っています」とコメントしています。

安倍総理大臣とインドのモディ首相は、個人的な信頼関係のもと歴史上、最も良好と言われるまでに日本とインドとの関係を発展させました。

日本企業のインド進出の促進や、デジタル分野での協力関係の構築も推し進め進出した日本企業の数は1400社余りにまで増えています。

また日本の新幹線技術が導入されるインド西部のムンバイとアーメダバードを結ぶおよそ500キロの高速鉄道計画をスタートさせるなど、インフラ輸出も強化しました。

一方で、中国の海洋進出を念頭に、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けて、自衛隊とインド軍との訓練を定期的に実施するなど安全保障分野でも関係を強めました。

さらなる関係強化に向けて安倍総理大臣とモディ首相が来月上旬にもオンライン形式での首脳会談を行う見通しだとインドのメディアは伝えていました。

豪 モリソン首相「インド太平洋地域の繁栄と安定に寄与」

安倍総理大臣が辞任する意向を表明したことについて、オーストラリアのモリソン首相は声明を発表しました。

この中でモリソン首相は、「安倍総理大臣はオーストラリアの真の友だ」として、2014年に両国関係を「特別な戦略的パートナーシップ」に引き上げ、関係を深めてきたことを評価しました。

また、心動かされた出来事として、おととし11月、安倍総理大臣がオーストラリア北部のダーウィンを訪れ、第2次世界大戦中に旧日本軍の空爆によって犠牲となった人たちの戦没者慰霊碑に献花したことを挙げ、「私たちは並んで、犠牲となったオーストラリアの人々に敬意を表し、今の両国が共有するきずなと友情を確認した」として、両国関係の強化につながったと振り返りました。

そのうえで、「オーストラリアと日本は、開かれた、平和な、繁栄するインド太平洋地域という共通の価値観を持ち、それは、両国の連携により強化されている。安倍総理大臣は、経験豊かな指導者としてのリーダーシップで、この地域の繁栄と安定に寄与した」と、感謝の意を表明しました。

トルコ外相 日本語で「感謝の意」投稿

トルコのチャウシュオール外相は28日、自身のツイッターに日本語で「トルコと日本との関係の発展に多大にご尽力をくださった安倍総理大臣が健康を理由に辞意を表明された報に接し、残念に思いました。両国関係の発展にご尽力されましたことに感謝の意を表し、一刻も早いご回復を祈念いたします」と投稿しました。

イスラエル ネタニヤフ首相「両国関係の強化に感謝」

イスラエルのネタニヤフ首相は声明を出し、「安倍総理大臣が病気で辞意を表明したことを残念に思う。両国の関係を強化し、イスラエルへの投資を増やしてくれたことに感謝の意を表したい。両国間の協力は、さまざまな分野で勢いを増している」と述べました。

安倍総理大臣は、2015年と2018年の2度、イスラエルを訪れネタニヤフ首相と会談し、両国の経済分野での関係強化に取り組んできました。

イスラエルに拠点を置く日本企業の数は90社ほどにまで増え、主にハイテク企業への投資が進んでいます。

イラン外務省「関係発展に価値ある貢献」

イラン外務省のハティーブザーデ報道官は、コメントを発表しました。

このなかで「安倍総理大臣は、両国の関係発展に価値ある貢献をした。イランは、安倍総理大臣の両国関係に対する思いやりに感謝している」と述べ、これまでの功績を評価しました。

安倍総理大臣は去年6月、日本の総理大臣として41年ぶりにイランを訪れ、ハメネイ最高指導者などと会談しました。