系天皇も含め在り方
検討を”河野防衛相

皇位の継承をめぐって、河野防衛大臣は閣議のあとの記者会見で、男系による皇位継承が望ましいとする一方、皇族数の減少に対応するため、女性宮家の創設や女系天皇も含め継承の在り方を検討すべきだという考えを示しました。

河野防衛大臣は23日、動画投稿サイトの番組で、安定的な皇位継承を確保するため女性宮家の創設や女系天皇も含め皇位継承の在り方を検討すべきだという考えを示しました。

これについて、河野大臣は、閣議のあとの記者会見で「わが国の皇室は、過去、ずっと男系で継承されてきたので、男系による皇位継承が続くのがいちばん望ましいと考えている。ただ、現皇室で男系を維持していくには、かなりのリスクがあると言わざるを得ず、万が一の事態を想定しておかなければいけない」と述べました。

そのうえで、「例えば皇室の内親王殿下や女王殿下が女性宮家として皇室に残り、お子様が皇位継承するやり方もあるし、皇籍を離脱した旧宮家を復活させるなど、2つぐらいの選択肢を考える必要がある」と述べ、女性皇族が結婚後も皇室にとどまる女性宮家の創設や女系天皇も含め継承の在り方を検討すべきだという考えを示しました。

一方で、戦後、皇籍を離れた旧宮家の男系男子の子孫が皇族に復帰することについては、「旧宮家を復活させることに国民の合意、支持が得られるのかという議論も当然ある」と述べ、慎重な姿勢を示しました。

菅官房長官「慎重かつ丁寧に検討必要」

菅官房長官は、閣議のあとの記者会見で「安定的な皇位の継承を維持することは、国家の基本にかかわる極めて重要な問題だ。男系継承が古来、例外なく維持されたことの重みなどを踏まえながら、慎重かつ丁寧に検討を行っていく必要がある。また、さまざまな考え方や意見があり、国民のコンセンサスを得るためには十分な分析と検討が必要だろう」と述べました。

一方、新型コロナウイルスの感染拡大で延期された「立皇嗣(りっこうし)の礼」の実施時期について、菅官房長官は「社会経済活動のレベルや感染症の状況を踏まえながら、今後改めて式典委員会を開催し、検討していくことになる」と述べました。

自民 青山氏「女系天皇を容認 違うのではないか」

去年、安倍総理大臣に、男系による皇位継承を堅持すべきだと提言した自民党の保守系議員グループの代表を務める青山繁晴参議院議員は、記者団に対し「提言に対し、安倍総理大臣は、男系による皇位の継承がなされてきたことを十分に受け止めるという趣旨の発言をしており、安倍内閣の閣僚として女系天皇を容認するのは違うのではないか。グループの有志で河野防衛大臣に話を聞きたい」と述べました。