護施設に布マスク配布
「有意義だと考えている」

介護施設の職員や利用者などへの布マスクの配布について菅官房長官は、重症化するリスクが高い高齢者などの今後の備えとしても有意義だとして、1人当たり7枚の配布を継続し、ことし9月中旬までに終えられるよう進めていく考えを示しました。

重症化しやすいとされる高齢者などへの感染を防止するため、政府は、全世帯向けに配布した布マスクとは別に、ことし3月から介護施設や障害者施設などの職員や利用者などに対し、1人当たり7枚の布マスクが行き渡るよう順次配布を進めています。

これについて菅官房長官は記者会見で「布マスクは繰り返し利用できることから相対的に安価で、マスク需要の抑制に資する。高齢者などが重症化するリスクが高いと言われる中で、今後の感染拡大への備えという観点から重点的に対策が求められており、継続配布は有意義だと考えている」と述べました。

そのうえで、ことし9月中旬までに介護施設や障害者施設などへの配布が終えられるよう進めていく考えを示しました。

布マスクの施設向け配布続く

家庭向けの配布が終了した布マスクをめぐって、政府は引き続き、およそ8000万枚を介護施設などに向け配布することにしています。

布マスクをめぐっては、新型コロナウイルスの感染拡大にともなうマスクの品薄対策として、政府が配布することを決め、およそ260億円かけて1億3000万枚が先月までに、すべての家庭に配布されました。

家庭向けとは別に介護施設や障害者福祉施設、保育所などについても、およそ247億円をかけて、1億5700万枚配布することになっていて、厚生労働省によりますと、今もおよそ8000万枚が残っているということです。

厚生労働省は「施設の利用者や職員は毎日、マスクをつける必要があるが、使い捨てマスクの供給は去年ほどには戻っていない。布マスクを配布することで需要を抑制する効果もあり、9月中に配布を終えたい」としています。

一方で介護施設からは「介護現場に目を向けてもらっていることは感謝したいが、今、必要な物は布マスクではない。感染者の増大とともに、今後、施設でクラスターが発生する事態に備え、感染防御に対応できる高度な衛生用品の支援を徹底してほしい」という声も上がっています。